数年前に夫が事故死してしまい、シングルマザーとなった私。今は清掃員をしながら実家で両親と7歳の娘と暮らしています。当時は悲しかったけれど、娘や両親、祖父母のおかげで立ち直れました。しかし、とあるタワマンを清掃するようになってから私の最悪な日々が始まってしまったのです。

タワマン在住の高慢な客に…

ある日、新しく担当になったタワーマンションを掃除していると……。エントランスで住人男性のAさんに遭遇。彼は大声で電話をしながら、手に持っていたコーヒー缶をポイ捨て。実はこれ、初めてではありません。

私は心の中で「またあの人……」とうんざり。そのAさんはいつも非常識な態度で、公共の場所を汚しては私の仕事を増やすのです。

一度、それとなく気を付けてもらえるよう話をしてみたのですが、「ただの掃除屋が偉そうに!」と逆ギレされる始末。さらにその後は、わざと廊下にゴミを捨てたり、調味料をこぼしたりといった嫌がらせまで始めました。ついに私は清掃会社の上司に相談し、タワーマンションの管理人を通してこの問題住人に注意をしてもらったのですが、彼の嫌がらせはヒートアップ。

顔を合わせるたびに、「俺は有名な会社の社長の息子だぞ! お前なんか、使えねぇ清掃員のくせに」と罵声まで浴びせられるようになったのです。

(広告の後にも続きます)

高級レストランにて

気のめいる日々が続く中、娘の誕生日がやってきました。私は久しぶりに家族皆で楽しい時間を過ごそうと高級レストランに行くことにしました。

先に着いた私と娘が、店内に入って両親と祖父母を待っていると……。何と例のタワマン住人がスタッフとして働いているのを発見! 彼は私に気が付くと、信じられない暴言を吐いたのです。

「お前みたいな貧乏人はお断り。スーパーで割引きされた弁当でも食っていろ!」

そして、あろうことか私と娘をレストランから追い出そうとしました。

とそのとき、遅れて来た両親と祖父母が来店。「孫たちはどこかね?」と入り口で店長に尋ねています。店長は「これはオーナー、本日は皆様でお越しいただきありがとうございます!」と笑顔。私と娘は、「あっ、おじいちゃんたちだ!」と席から手を振りました。