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●新宿伊勢丹の裏にある老舗カレー店『ガンジー』の名物カレーの魅力とは?
新宿三丁目には、新宿伊勢丹や紀伊國屋書店、マルイなど大きな施設が林立していますが、その隙間を埋めるかのように小さなビルも数えきれないほどあります。実はその“小さなビル”に美味しい店がいっぱい潜んでいます。
今回ご紹介するのもそんな隠れ名店、昭和47(1972)年創業のカレーの老舗『ガンジー』です。あの巨大な「伊勢丹新宿店」の裏にある小さなビルの2階に店を構えています。
小さなビルの2階にあります
近くには「とん丼」で有名な老舗『王ろじ』(大正時代に創業)があり、ここには筆者は何度か行ったことがありましたが、そのすぐそばにこんなカレーの名店もあったとは。今回、たまたまカレー好きの知人と新宿伊勢丹で待ち合わせをし、ここを教えてもらって行くきっかけになりましたが、そうでなかったら、永遠に気づかなかったと思います。
そしてこの『ガンジー』のカレーが、いわゆる昭和の欧風のカレーとも違い、また最近のスパイスカレーとも全然違い、どこか“新しさ”を感じさせる奥深いおいしさだったので、その魅力をご紹介したいと思います。
味わい深い、新鮮なカレー
入り口から昭和レトロ感たっぷり
2階のフロアに上がり扉を開けると、そこは小さいながらも昭和の喫茶店のような趣のある空間。窓ぎわのカウンターに案内され、メニューを見ます。
『ガンジー』のメニュー[食楽web]
カレーは5種類ありますが、具の内容とボリュームが違うだけで、同じルー(辛口)を使用、甘口にはできないと書いてあります。ちなみに前述の友人から「牛スジ煮込みカレー(1320円)が人気」と教えてもらっていたので、迷うことはなかったのですが、他の客の注文に耳を傾けていると、カレーにスライストマトやスライスチーズをトッピングしている人も。
初来店なので、シンプルにトッピングなしで注文をしてみることに。すると、2〜3分ほどでカレーが登場しました。ものすごく早い!「牛スジ煮込みカレー」1320円。カレールーとライスは別々に盛り付けてあります。
「牛スジ煮込みカレー」1320円。カレールーとライスは別々に盛り付け
さっそく真っ白なライスにルーをかけてみると、黄色でも茶色でもない、濃いチョコレート色のルーはライスの上に適度にとどまる適度なもったり感。そしてキレッキレのスパイシーな芳香が漂ってきます。見た目のオーラがスゴい。カレーとしての力強い自信のようなものすら感じます。
カレーのルーもライスもたっぷり
そしていざ食べてみて、香辛料の使い方の巧みさと、素材をじっくり煮込んだルーの深みに圧倒されました。しっかり辛い中に、玉ねぎやトマト、牛すじ、そして香辛料たちが織りなす苦味や甘味、酸味、旨みといった小さなピースがたくさん散りばめられており、それらが入り混じって層を作ったり、時にはそれぞれのピースが離れたりして、舌をジリジリと刺激してきます。
いわゆる欧風カレーのようなビーフシチューのような重さはなく、とはいえ、南インド系のカレーのような軽快さとも違った、別の世界線の美味しさがあります。そして、そんな濃厚な味のカレーを受け止めるライスの計算された絶妙な硬さの炊き具合も素晴らしいです。
というわけで、『ガンジー』のカレー、これまで知らなかったことが悔やまれるくらい美味しかったです。ぜひ、新宿三丁目に行った際は食べてみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:カレーの店 ガンジー
住:東京都新宿区新宿3-17-21 第3ビル2F
TEL:03-3352-8055
営:11:30〜21:00(20:30L O)
休:無休