現在30代半ばの私は、大学卒業後バイオ研究の会社で数年働き、今は父が経営する会社に転職して2年目。業績も上がって多忙を極める中、高報酬での求人急募広告を出したところ、早速応募者が現れたときのお話です。

異色の面接開始!

応募してきたのは、30代半ばの男性。彼は、こちらが「お座りください」と言う前に椅子にどっかり腰を下ろし、ふてぶてしく私を見上げてきました。その態度が気にはなりながらも、私は人手不足の現状を考え、面接を続行。

「本日は私が面接させていただきます。前職について伺いますね」と話すと、彼は自信満々にこう言いました。

「正直、都会の一流企業でバリバリ働いていたエリートの私が、こんなド田舎で働くのは都落ち。応募したのだから感謝してほしいくらいです」

高慢な物言いには引っ掛かるところもありましたが、たしかにわが社は郊外の田園地帯に本社があり、そこでの作業がメインであることは事実。しかし何しろ今は人手不足。高報酬で求人したとはいえ、この機会を逃したら次はいつ応募者が来るかもわかりません。ここまで言うからには即戦力になってくれるだろうと、最終的にこの人を採用する決定を下したのですが……。

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初日から思わぬ展開に

翌週、この中途社員の初出社日がやってきました。ところが、9時を過ぎても姿を見せない彼。私が慌てて電話をすると、「起きたら8時30分だったので、今日はテレワークにするつもりです」とサラッと返答してきました。

勤務初日に寝坊をかまし、勝手にテレワーク……? 私は、「うちではテレワーク制度はありません。出社していただかないとできない業務があって……」と告げたのですが、彼は聞く耳を持ちません。

「今どき時代遅れだ、テレワークさせろ! 業務に必要なものは送ってくださいよ。社員がテレワークできる環境を整えるのが会社の役目でしょ?」と抜かしてきました。

いいかげん頭にきた私は、彼をクビにする前にひと泡吹かせることに。

「わかりました。では、業務に必要なものをご自宅に送ります」