多様な形態の店がひしめく池尻・三宿。成熟した大人が遊ぶこのエリアで、これまでの“昭和な夜”とは一線を画すスナックが増えているとか。
そんなスナック事情を体当たりで取材してきた。
取材したのは……
ライター・坂井あやの
20代からスナック通いにハマり、ディープエリアの場末スナックを好物に夜の街を徘徊。月に数回、代々木上原の『スナック眞木』のカウンターにも立つ。
1.『スナック十方』
日頃からスナック発掘が夜のライフワークになっている私。今回、「池尻・三宿のスナック事情が何やら面白いらしい」ということで、その実情をリサーチすべく、池尻大橋を訪れた。
最初に突撃したのは、国道246号沿いの雑居ビル2階にある『スナック十方』。ビルの裏手のらせん階段を上がり、扉を開けると金髪美人のママ、カヨさんが笑顔で出迎えてくれる。
カウンター6席のみのこぢんまりとした空間で天井も低く、間接照明の醸す雰囲気はスナックというよりバーの佇まい。「さすが三宿クオリティ……」と場末のスナックに慣れた体に緊張が走る。
が、1時間¥3,000で飲み放題&歌い放題という明朗会計と、デンモクの履歴に「やしきたかじん」を見つけて安堵。
笑い上戸のカヨママの明るいキャラが心地良く、酔いが回ってくるとママの部屋で飲んでいるような錯覚に。
私がおじさんだったら通ってしまうわ……と思っていたら、「40〜50代の男性が帰り道に寄ってくれることが多いですね」とカヨママ。
いやはや納得。美人ママのいる秘密の屋根裏部屋みたいなスナックは、誰かを連れてドヤりたくなるはず。
■店舗概要
店名:スナック十方
住所:非公開
TEL:03-5432-9988
営業時間:20:00~26:00
定休日:不定休
席数:カウンター5席
2.『スナックTremolo』
2軒目は淡島通りにある『スナックTremolo』へ。
地下へと下りていくと、そこに広がるのはスピークイージーな上海キャバレーをイメージした、ネオンサインとシャンデリアが煌めく官能的な空間!昭和のグランドキャバレーを彷彿させる広い空間で、ステージの上で歌う高揚感といったら……。
システムは、飲み放題&歌い放題3時間¥3,500と、こちらも良心的な価格設定。
名物の「増田園 緑茶ハイ」で良い気分になったら、AWICHプロデュースの「HABUSH」のショット(1杯¥1,000)でみんなで乾杯。
からの「ボトル入ります!」が、常連さんいわく“トレモロの黄金ルート”なんだとか。
イケメンぞろいのスタッフに、客層もアパレル系らしき洒落た大人ばかり。
お客さんとハブ酒を飲み交わし、『3年目の浮気』をデュエット。そんな不思議な夜を体験できるのは、都内でもここだけかもしれない。
■店舗概要
店名:スナックTremolo
住所:非公開
TEL:非公開、DMにて予約可(IG:@tremolo_awashima)
営業時間:22:00~(L.O.28:00)
定休日:不定休
席数:カウンター10席、テーブル40席
3.『TORACO』
ラストは池尻のネオスナック『TORACO』に潜入。虎のネオンサインとブルーやピンクのライトに照らされた空間は、イマドキのお洒落なバーの風情。
Tシャツ姿のゆかりママのラフな雰囲気とフレンドリーな人柄が話しやすく、女性客が多いというのも頷ける。
コの字型のカウンターを囲めば自然と他のお客さんとも会話が始まり、ここでもあいさつがわりのテキーラショットの乾杯が。
システムは2時間¥1,000歌い放題、ドリンクは1杯¥650〜と居酒屋並みのお値段。
母体の居酒屋『SAKETORA』のメニューを出前で頼むこともできるため、深夜に襲ってくる「なんか食べたい病」にも万全フォロー。
池尻らしいアットホームな地元感で、わちゃわちゃ楽しく歌って飲んでいるうちに気がつけば朝に……。
■店舗概要
店名:TORACO
住所:目黒区東山3-1-7 スイフト東山 B1F
TEL:非公開、DMにて予約可(IG:@toraco_neosnack)
営業時間:20:00~27:00
定休日:不定休
席数:カウンター13席、個室1(4人)
◆
池尻スナックの共通項は、洒落ているけど飾らない、とにかく元気でテキーラが好き。
三者三様の個性で、どんな大人も楽しませる池尻・三宿の懐の深さに酔いしれた夜(朝)だったのでした。
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