「休憩を取らない自由」はない?6時間を超える労働の必須ルール
では、「休憩をせずにその分稼ぎたい!」という場合はどうなるのでしょうか。時給で働くパートやアルバイトの中には、休憩時間を返上してその分多く働きたいと考える人もいるでしょう。労働者が自ら休憩を取らないという選択はできるのでしょうか。
答えは、NO。たとえ労働者が希望したとしても、休憩は労働基準法に従って取らなければなりません。違反した場合は、職場が6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金というペナルティを受けます。つまり、休憩は、労働者の権利であり義務でもあるのです。
(広告の後にも続きます)
フルタイムより6時間勤務が効率的?パート労働の選択肢
では、パート勤務者でフルタイムの8時間労働と6時間労働では、どちらが効率的でしょうか。これは、2つの視点から考えることができます。もらえる給料の違いと、プライベート時間の確保という視点です。
仮に、時給1000円で、週5日・4週間働く場合、フルタイム(8時間)では16万円(1000円×8時間×5日×4週)稼ぐことができます。一方、6時間勤務では12万円(1000円×6時間×5日×4週)となり額面で月額4万円の差となります。当然、少しでも多く稼ぎたい人にとっては、フルタイムが良いわけです。
ただ、フルタイムの場合は、労働時間に加えて休憩時間が45分あるわけですから、実質の拘束時間は長くなります。仮に、休憩時間を含めて時給換算すると、約914円(1日8000円÷8時間45分)で働いていることになります。
それを非効率と感じるなら、その人にとっては、6時間勤務が良いということになるでしょう。また、子どもの習い事の送り迎えや、親の介護、自身のプライベート時間を大切にしたい場合も、6時間勤務の方が魅力的ということになります。反対に、パートから正社員登用などステップアップを目指したい場合は、働く時間を増やしながら、職場で次のワークプランを模索する選択が良いこともあるでしょう。何をもって効率的とするかは、その人の目的によって変わってきます。
パートであっても労働者であることは変わりありません。あやふやなままにせず、労働基準法を知ることで、きちんとルールにのっとり健康に配慮しながら働きましょう。