田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

こんにちは。向寒のみぎり、お元気でしょうか?

さて、今年もあと1ヶ月半となりました。手紙に関する年末の大仕事といえば年賀状です。年賀切手もお年玉付き年賀はがきもすでに売り出されていますね。去年は出すのがギリギリになってしまい、来年こそは早く準備するぞと誓いましたので、なんとしても有言実行といきたいものです。

年賀じまいの話題もちらほら出てくる時期ですが、みなさんは年賀状についてどうお考えでしょうか。

私個人の考えですが、義理で出す年賀状は必要ありません。数出せば良いというものではありませんし、たくさん出すから人間関係が豊かというわけでもありません。日頃からお世話になっている人や、本当に仲の良い友人、私から年賀状が来なかったら悲しみ、心配するに違いない人たち、つまり自分にとって本当に大事な人たちにだけ心のこもった年賀状をしたためる。それが理想であり、今後はそのような傾向になっていくのでは無いでしょうか。

私にとって年賀状とは、ていねいに向き合うことで年の境目にけじめをつけ、新しい年を祝福し、相手の幸を願う行為です。1年の最初に受け取る贈り物は、年賀状に込められた気持ちなのです。

脳科学者の黒川伊保子さんは著書「成熟脳 脳の本番は56歳から始まる」の中で、「たぶん、人工知能と共生する時代に、人がすることは、案じたり察したり発見したりすることに集約されるのじゃないかしら」とおっしゃっています。年賀状という文化は廃れていくかもしれませんが、手紙と同じで消滅することはないように思います。

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手紙トピック

11月29日〜12月1日まで東京・目白にあります切手の博物館で「なでしこ切手倶楽部展 2024」が開催されます。「JOY」をテーマに部員たちの切手コレクションやマキシマムカードなどの郵趣品が展示されます。私もマキシマムカード作品を展示します。

ほかにも限定の小型印設置、絵手紙などの楽しいワークショップや切手デザイナーさんのトークショー、ここでしか買えない可愛い手紙グッズがいっぱいのフリーマーケットなど盛りだくさんの内容です。詳しくは「なでしこ切手倶楽部」のホームページをご確認ください。切手はもはやおじさんの趣味にとどまりません。男女問わずに新たな楽しみ方を広げています。イマドキの郵趣の世界を覗きにきませんか?