スペシャリテのタルトタタン。素材の加工から始まる美味しさの物語
ka ha naのタルトタタンは、催事でも多くの人を魅了する唯一無二のスイーツ。りんごの皮や芯は、煮出してペクチンや天然の色素を抽出。通常なら捨てられてしまう部分まで使い、りんご1個1個に向き合って生まれるうまみたっぷりのお菓子は、根本さんだからこそ作れる名品です。
3~4時間かけて低温で焼き上げられたりんごは、口に入れた瞬間にじゅわっと、驚くほど深い甘みが広がります。ザクザクのパイ生地、舌の上でゆっくりとろけるクリーム、すべてが繊細なバランスで合わさり、忘れられない美味しさに。
「お店のお菓子は、フレッシュな状態の果物だけを使うのではなく、いろいろな果物や季節の素材を組み合わせて作っています。
そのとき旬の果物をジャムにして後のお菓子に使ったり、季節の花のシロップをあわせて香りを足したり…。レストランで働いていたのもあって、素材を加工して使うのが好きなんです。
レストランの経験は、素材の選び方にも反映されていますね。その季節に収穫できるものどうしは相性がいいと実感しているので、夏はメロンと初夏が旬のフェンネル、秋はりんごと金木犀、といった素材を合わせています」
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自分の愛する土地で、美味しいお菓子を
店主の根本理絵さんは、関西の複数のパティスリーを経た後、東京にあるフレンチの名店・レフェルヴェソンスや、薪火料理レストラン・Marutaでデザート作りやメニュー開発を務めた凄腕の人物。そんな根本さんが、三鷹を選んだ理由とは?
「もともとこの辺りに5年くらい住んでいて、自分が好きな地域だったこと、子どもたちのことも考え、普段の生活圏内でお店を開きたいと考えたことがきっかけです。
また、暮らしているなかで、吉祥寺や西荻窪に比べるとお菓子屋さんが少ないように感じ、この地域にもっとお菓子を届けたいとも思いました。なので、お店を開くなら三鷹にしよう、とは初期のころから考えていたんです。
物件が決まってからオープンするまでが想定より長く、工事や手続きで1年ほどかかりましたね。ただ、催事や他のイベントへの出店など、その期間に経験できたことも多くありました。
やりたいことが多すぎて、じつはまだその半分もできていない状態なんですが…(笑)今は夕方より前に完売してしまうことも多いので、スタッフや自分の家族の状況もふまえて、製造量を増やすといったことはしていきたいと考えています」