恋は、突然やってくるもの。
一歩踏み出せば、あとは流れに身を任せるだけ。
しかし、最初の一歩がうまくいかず、ジレンマを抱える場合も…。
前進を妨げる要因と向き合い、乗り越えたとき、恋の扉は開かれる。
これは、あるラブストーリーの始まりの物語。
「恋のジレンマ」一挙に全話おさらい!
第1話:職場恋愛に消極的な27歳女。実は“あるコト”の発覚を恐れていて…
仕事を終え、友人との食事を楽しんだ麻貴は、帰宅の途についた。食事中、友人に、三浦との一件を話した。
「その先輩のこと気になってるなら、食事にでも誘ってみたら?」
友人の言葉が頭に浮かぶ。三浦とのやり取りを思い返すと、麻貴は胸の奥がほんのり熱くなった。
― う~ん。確かに2人で会ってみたいけど…。
自分の気持ちを確かめる意味でもその必要性を感じるが、すんなりとは行動に移せない、ある事情を抱えていた。
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第2話:意中の先輩に“絶対見られたくない現場”を目撃されてしまい…。27歳女が悔やんだワケ
これから徐々に距離を縮めていきたいところ。そのための有益な情報を、いくつか得ることができた。
LINEを開こうとしたところで、新着メッセージの通知に気づいた。
― え、嘘!?三浦さんからだ!
まさかのタイミングに、麻貴はにわかに色めき立った。運転席の雄星に悟られないよう、さっと目を伏せる。
しかし、LINEの内容は麻貴が期待しているものとは大きく異なっていた。
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第3話:週1回、意中の彼にお弁当を作る25歳女。料理に隠された“後ろめたい秘密”とは
「また食べたいな…」
その声を、萌絵は聞き逃さなかった。
「え、本当に?よかったら、今度お弁当作ろうか?」
「ええっ!いいの?大変じゃない?」
「週1くらいだったら別に。自分のお弁当を作るついでにでも…」
板垣が嬉しそうに微笑み、目を細めた。穏やかな視線だったが、萌絵の胸を鋭く射抜いていった。
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第4話:机に置き手紙を発見した25歳女。封筒を開くと、1通の便箋と“固い物体”が出てきて…
萌絵はふと、リビングのほうに目を向ける。
― あれ…?何かしら…。
テーブルの上に、封筒のようなものが置かれていた。たまに弁当に関するメモ書きが残されていることがあるが、それではなさそうだ。
封筒を手に取り、中に入った便箋を開いて目を通す。かしこまったような文面を読み進めると、ある言葉が目に留まり、萌絵は眉をひそめた。
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第5話:会社帰りに立ち寄った有楽町のバーで思わぬ出会いが。 大手IT勤務・29歳男はつい…
「こちら、ソムリエの梨穂さんだ」
佐々木から紹介を受け、カウンターに戻ってきた女性と顔を合わせた智樹は、思わず息をのんだ。
― な、なんてキレイな人なんだ…。
横幅の広い大きな瞳に見据えられ、体が強張った。
なんとか声を絞り出し、挨拶を交わす。胸の高鳴りがおさまらない。久しぶりに味わう感覚だった。
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第6話:バーで出会った清楚女性の“裏の顔”に遭遇。あまりのギャップに、29歳男は驚愕し…
― ダイエットの成果が出て、コンプレックスも解消されてきたのに…。
そのときふと、職場の後輩・伊藤京子の存在が脳裏をよぎった。同僚との飲み会を途中で抜けてしまったことに関して、彼女が言った言葉を思い出す。
「寂しかった」
好意を含んでいるとも取れるセリフに、また心が揺れ動く。智樹は、ほかの客と会話を交わす梨穂にさりげなく視線を向けた。
― 梨穂さんとは、縁がないのかな…。
梨穂を遠い存在に感じ、つい弱気になってしまうのだった。
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第7話:「内緒ですよ」とささやかれ…。新宿の眼科で28歳MRが惚れた、受付女性の“神対応”
会社名を見た女性は、諒也がMRであることに気づき、「いつもお世話になっています」と挨拶を述べる。
「少しの時間、抜けさせていただけないでしょうか。先方への挨拶が済み次第、すぐに戻ってくるので。そんなに時間もかからないと思います」
諒也が速やかに用件を伝えると、女性は少し困った表情を浮かべて、後ろを振り返った。
背後のデスクでは、もうひとりの受付担当の女性が事務作業をおこなっていた。女性はひとつ頷くと、「わかりました」と呟いた。
「これは内緒ということで…」
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第8話:新宿で甘い夜を楽しむはずが…。待ち合わせ場所に来た女の顔を見て、28歳男が凍りついたワケ
2人が勤める新宿の営業所から、歩いて10分ほどで店に到着。ビルの1階にあるイタリアンレストランに着いた。
ドアを開けて中に入ると、10卓ほどあるテーブル席が、半分程度埋まっている。
― まだ来てないか…。
諒也は店内を見渡すが、有紀らしき姿はないようだった。奥へと進もうとしたところで、前を歩く葵が急に立ち止まる。
「んん?どうした?」
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第9話:「条件はいいけど…」27歳女が萎えた、デート中に経営者男が発した“NGワード”とは
「これから、僕の隣に彩花さんがいて欲しいと思っています」
真剣な眼差しを受け、彩花もかしこまる。すでに喉のほうまで、「はい」との返答が迫ってきていた。
「結婚を前提にお付き合いしていただけませんか?」
橋村が言い終えたところで、彩花は、口から出かかっていた言葉を飲み込む。
― けっ…こん…。
それは彩花にとって、素直には喜べない要求だった。
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第10話:「離婚したのに、つい頼っちゃう…」バツイチ女性が元夫とこっそり連絡をとるワケ
「お父さんもお母さんも、なんだかんだ夫婦を続けていくのかと思ったけど、結局離婚しちゃうなんてね」
あっけなく崩れ去る関係への憂い。賛同を得られるかと思いきや、涼花の口から出たのは意外な言葉だった。
「でも、お母さんが海外に出られるの、お父さんのおかげでもあるんだよ?」
彩花はいまいち釈然とせず、事情を尋ねた。
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第11話:小学校から私立女子校に通っていたせいで“恋愛弱者”に…。27歳女性の深刻な悩み
― 私が馴染めるようになるまで、いったいどれぐらいの時間がかかるんだろう…。
これが男性への免疫をつける方法というのなら、身につくまでに何度繰り返さなくてはならないのかと思い、由紀恵は気が遠くなる。
ただ、男性のなかにひとり、同じように場に馴染めていない様子を見せる人物がいることに、由紀恵は気づいていた。中尾という名のその男は、言葉数が少なく、時おり引きつったような愛想笑いを浮かべている。
― あの人、あんまり楽しそうには見えないな…。
髪型はマッシュヘア。前髪の重たい風貌に親近感をおぼえた由紀恵は、なんとなく彼の動向が気になった。
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