そして義母の介護がスタート
一方、義父は介護する間もなく80代半ばで他界。義父亡き後、90歳を目前とした義母を1人にしておくのは心配ということで、ひと足早く定年退職を迎えた60代の義姉夫婦が義母と同居することに。実の娘が世話をしているとはいえ、義母の性格もあり、「こんな面倒をかけるなら、自分が早く死ねばいい……」と文句ばかり。そんな状況に耐えかねた義姉が、「今度はあなたが母を見て」と夫へ頼んできたのです。
長年義姉に苦労をかけてきたこともあり、夫は知人への相談もそこそこに、自宅へ義母を引き取ることを決めてしまいます。とはいえ、知人とすると「自分の親は自分で見る」という取り決めだったし、義母を自宅に引き取るにしても介護や生活のお世話は責任を持っておこなってくれるもの、と思っていました。しかし、自宅に引き取るとなると実際は違っていたようです。
義母が行っているデイケアの準備や着替え、トイレのお世話は夫が対応していましたが、洗濯や食事の世話は普段おこなっている知人の担当。咀嚼力や嚥下機能が低下してきた義母のために介護食を調べて作り、食卓に並べていたのですが、「おいしくない」と食べてもらえないこともしばしばです。
次第に「嫁さんは、私の世話をイヤイヤやっている。嫁さんには財産を渡したくない!」と八つ当たりされるように。「自分の親のときにはまったく協力してくれなかった夫の親を世話しているのに、なんでこんなことを言われなければならないんだ」とストレスが大きくなっていきました。
最終的に、耐えられなくなった知人は夫に懇願。「あなたの親の食事の世話もしているのに、どうしてそんなことを言われなければならないの?」「そんなこと言われるのであれば、もう面倒を見たくない」と夫に訴えました。手が焼ける義母に困っていた夫も特養入所を決め、今となっては知人もストレスの少ない日々を過ごしているようです。
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まとめ
親の介護は厄介な問題かもしれません。結婚前の「お互い自分の親は自分で見る」という取り決めは画期的とも思えます。しかし、やはり実際にやってみないとわからないこともたくさんあります。結婚前に、親の介護に関わる家事についても分担すべきだったのか、実際の介護についてお互い柔軟に考えればよかったのか……。夫婦によっても正解が異なる「親の介護問題」だからこそ、お互いによく話し合う必要があるのだなと感じたエピソードでした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
イラスト/山口がたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)
著者/倉本 有希
30代女性・ライター。マイペースで楽観的な夫とひょうきんで味のある2021年生まれの女の子、甘えん坊でうるさい黒猫の3人1匹家族。フリーランスのため、子どもを寝かしつけた後に夜な夜な仕事をしている。最近のストレス発散は100均で爆買い。