歌舞伎界の若手花形俳優が顔をそろえる新年の風物詩「新春浅草歌舞伎」が来年(2025年)1月2日~26日に東京・浅草公会堂で上演されます。出演者である中村橋之助、中村鷹之資、中村莟玉、中村玉太郎、市川染五郎、尾上左近、中村鶴松が11月11日、都内で行われた記者会見に出席、舞台への意気込みを語りました。

2025年は新たな顔ぶれでフレッシュな舞台に!

「新春浅草歌舞伎」は若手歌舞伎俳優の登竜門として40年以上にわたり親しまれている公演で、2024年1月をもって尾上松也をはじめ7名の出演が一区切りとなったため、2025年は装いも新たに開幕。フレッシュでエネルギッシュな舞台に期待がかかります。今回は、『絵本太功記 尼ヶ崎閑居の場』を第1部と第2部で配役を変えて上演するほか、第1部では『仮名手本忠臣蔵 道行旅路の花聟 落人』、第2部では『春調娘七種』、『棒しばり』といった演目に挑みます。


「新春浅草歌舞伎」記者会見に登壇した(前列左から)中村莟玉、中村橋之助、中村鷹之資、(後列左から)中村鶴松、市川染五郎、中村玉太郎、尾上左近

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「兄さんから託されたバトンをもっと重いものに」と橋之助

座頭を務める中村橋之助は、「この7人で令和7年度『新春浅草歌舞伎』をさせていただくことになりました。座頭という立場は初めてですが、僕一人ではなく7人全員が座頭のつもりで、同じ方向を向いて走り抜いていきたいです。そして、その思いがお客様に届き、明日の活力となれるようなパワーあふれる公演にしたいと思っております」と挨拶をすると、「今日はこれを持ってきました」と緑色のバトンを披露。「勘九郎の兄たちの世代から、松也兄さんに渡され、そして今年1月の『新春浅草歌舞伎』の千穐楽で、(中村)米吉のお兄さんから僕と莟玉くんに託されたバトンでございます。このバトンをもっと重いものにできるように、僕たちの代も一生懸命つとめてまいりたいと思います」と力強く宣言しました。


バトンを手に思いを語る中村橋之助

一方で、「これは僕と莟玉君との共通認識だと思いますが、バトンをもらったものの来年の出演がなかったらどうしようという恐ろしさもありました。実際に出演のお話をいただいたときはほっとしましたが、それよりも『来たー』というか、僕たちの代も一旗揚げてやるぞ、というアドレナリンを感じました」と率直な思いを語る場面も。