木造住宅の耐用年数とは?評価・減価償却・査定への影響も解説

木造住宅の耐用年数は3つの要素に影響

木造住宅の耐用年数は下記の3つの要素に影響します。

・住宅ローン時の評価
・国税庁の定めた減価償却費
・中古住宅売却時の査定額

 

住宅ローン時の評価

中古住宅を購入して住宅ローンを申し込む場合、築年数20年以内の中古住宅、もしくはリフォーム後で「安心R住宅」に認定されていれば、原則的に認可されます。つまり、耐用年数が2年以上残っていれば、住宅ローンの利用が可能ということです。

ただし、住宅ローンの返済期間は耐用年数によって決まります。たとえば築10年なら返済期間は12年といった具合です。特にメガバンクは、こういった評価基準で厳しい傾向があります。

 

国税庁の定めた減価償却費

前述したとおり、法定耐用年数で減価償却期間が決まります。たとえば耐用年数が22年なら、22年間にわたり毎年減価償却費を計上できるわけです。住宅所得にかかった費用の全額を減価償却期間に配分し、その期に相当する金額を減価償却費として費用に計上します。1年間の減価償却費は定額法と定率法で違ってきますが、耐用年数が減価償却費に大きく影響することは間違いありません。耐用年数が長いほど、減価償却期間が長くなり、節税に役立つ期間も長くなります。

 

中古住宅売却時の査定額

中古住宅を売却する場合には、経年とともに販売価格がなだらかに低下していき、耐久年数が短くなるほど査定額が低くなる傾向があります。そして、中古住宅が法定耐久年数をこえると、たちまち売りにくくなりますが、見栄えが良く競合物件がない場合は売れる可能性があります。

 

固定資産税には関係しない

耐用年数は固定資産税にも影響するのでしょうか?固定資産税は下記の計算式で決められます。

固定資産税=固定資産評価額×税率

この式の要素である固定資産評価額は、3年に1度自治体が決めるもので、耐用年数とは無関係です。住宅が古くなっても固定資産評価額は新築時の50〜70%くらいが計上されます。したがって、耐用年数は固定資産税に関係しません。

 

まとめ:耐用年数を理解し、評価・減価償却・査定を有利に進めましょう!

一般的に「木造住宅の耐用年数は22年」といわれますが、これは国土交通省の定めた法定耐用年数をさし、減価償却率を計算するために法的に決めた耐用年数にすぎません。実際の木造住宅は、リフォームなどでメンテナンスすれば80〜100年住めます。

また、木造住宅の耐用年数は、住宅ローン時の評価・減価償却費・中古住宅売却時の査定額に影響する重要な指標です。耐用年数について正しく理解し、評価・減価償却・査定を有利に進めましょう。