報酬を受け取っていない場合の見解は

では、メルチュが斎藤氏から報酬を受け取っていない場合は問題があるのか。

正木弁護士は、「現行法では、株式会社merchuが一私人として行ったSNS運用やハッシュタグの拡散といったSNS戦略での選挙活動の手法を直接規制する規定はありません」という。

しかし、懸念点はあるという。「ウェブサイト等を利用する方法でインターネット上での文書図画の頒布を認める法律」(公職選挙法142条の3)で、頒布者の連絡先を表示させることが義務付けられていることを挙げる。「無責任な頒布を抑止し、反論の機会を確保するため」という。

「違反したからといって罰則はないのですが、ハッシュタグの利用などは、本条の趣旨に反して無責任な情報の拡散に利用される可能性があり、今後の規制も検討されるのではないでしょうか」

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メルチュ「現在取材はお断りしている」

J-CASTニュースが22日、兵庫県庁に齋藤氏への取材を申し込んだところ、神戸きらめき法律事務所の奥見司弁護士から回答が届いた。複数の報道機関から11月22日夕を回答期限とする質問があったとして

「時間的制約の関係から現時点で把握できている事実をお伝えすることで、各報道機関への回答に代えさせていただきます」

としている。

それによると、斎藤氏が9月末にメルチュ事務所を訪問したことは事実と認めたが、「知事選挙の準備行為としての写真撮影、ポスター作製等の打ち合わせ」のためとしている。

打ち合わせの際、広報やSNSの活用についての説明を受けたが、「SNS戦略の企画立案などについて依頼をしたというのは事実ではありません」とし、

「依頼をしたのはあくまでポスター制作等、法で認められたものであり相当な対価をお支払いしております。デザイン、色使いなどについて意見をいただくこともありましたが、あくまで当方の指示に従ったものを制作していただきました」

と説明した。

SNSで相次ぐ指摘について、「公職選挙法に抵触する事実はございません」としている。

J-CASTニュースは22日、メルチュにも取材を申し込んだが、「対応を協議中であり、現在取材はお断りしている」との回答だった。