返済額を2万円に減らせば総返済額は増える

仮に月々の返済を楽にしたいと月2万円の返済にしたらどうなるでしょうか。支払い回数は70回となり支払期間が長くなります。返済期間中は金利がかかり続けるので、1回目の返済額2万円のうち元金返済は8000円のみで、利息の支払いが1万2000円を占めます。つまり元金返済は40%で、60%は利息を払っていることになります。合計返済金額は138万3538円となり、利息金額は48万3538円です。

月々の返済を少額にすると、返済残高がなかなか減らなくなります。さらに月々の買い物も便利だから、現金がなくても欲しいものが買えるからと安易にクレジットカードで買い物をし続けると借金の総額が見えにくくなり、お金を貯めることはおろか将来生活が立ち行かなくなってしまうこともあります。月々の返済額を少なくすることが本当に自分のメリットになり、自分にとってより良い選択なのか、よく考えて判断することが大切です。

(広告の後にも続きます)

まずは借金の早期返済を


ローン
【画像出典元】「stock.adobe.com/YasuMurasaki」

自営業の方の場合、老後の生活費の基本となる公的年金制度の老齢基礎年金の年金額は40年間加入し、保険料免除の期間がなかったとして79万5000円です(67歳以下の方:2023年4月分から)。月額にすると6万6250円ですが、この金額から健康保険料と介護保険料が天引きされるため、月々使える金額はさらに少なくなります。

自営業の方は自分で仕事をやめる時期を決めることができるため、老後も長い期間働き続けることも可能ですが、体調不良やさまざまな要因で働いて収入を得ることが難しくなることも。

収入が多いときは毎月の返済だけでなく繰り上げ返済なども検討してできるだけ早く借金を返済し、お金の不安を軽くして頂きたいと思います。

また、2023年の一人暮らしで働いている世帯における年間の食料の支出金額は56万8295円です。月額約4万7000円となります。※総務省「家計調査家計収支編単身世帯2023年

Mさんはついつい外食をしてしまいがちとのことですが、できる限り外食を減らすなどして、現在の食費7万5000円を一人暮らしの食費の平均4万7000円に減額し、2万8000円を借金返済に充て、収入が増えた月には返済額を増やすよう検討してみてください。仮に、月3万円の返済を月6万円に増額すると、6万円のうち80%の4万8000円を元本の返済にあてることができ、17回で返済を終えることができます。

借金を早く返すことができれば、お金を早く貯め始めることができます。まずは家計を見直し、借金を早く返すことを優先に考えてみてください。

返済を終えたらできるだけ早く生活費の半年以上の貯金を貯めるようにして、緊急時にもできるだけ借金をしなくてもすむように備えておきましょう。

アドバイスを受けたMさんの感想

リボ払いの仕組みをあまり理解していませんでした。できるだけ簡単に借りて、楽に返せればいいと思っていました。簡単に考えていてはいけないですね。まだ若いし、なんとかなるかなと思っていましたが、もうすぐ40代。これを機に、ちゃんと考えようと思います。早く返済すれば、利息も減るし、なにより借金から解放されるので、まず月々の返済額を変え、1000円でも多く返済することを検討します。

(広告の後にも続きます)

家計簿診断を終えて

一般にお金を簡単に借りられるものは金利が高いと考えましょう。お金を借りる目的は生活費なのか車の購入なのか、住宅の購入か、教育費か。借りる目的によっても、さまざまなローンを利用でき、金利は大きく違います。お金を借りるときは、使用目的にあった借り方を検討し、金利や返済方法等についても十分理解した上で、しっかり検討して利用するようにしましょう。まずは早期の借金完済を目指してください。