文具のとびら編集部

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、ブング・ジャムのみなさんが今イチ押しする最新筆記具を紹介してもらいました。

第3回目は、きだてさんが紹介する「キレーナ」です。

(写真左からきだてさん、高畑編集長、他故さん)*2024年11月9日撮影
*鼎談は2024年10月29日にリモートで行われました。

感動するぐらいキレイに引ける


「KIRE-NA(キレーナ)」(パイロットコーポレーション)*関連記事

――じゃあ、最後はきだてさんですね。

【きだて】はい。俺の 2024年ベスト文具はこれに決まりました。「キレーナ」です。

【他故】もう決まりましたか。

【きだて】決定です。

【高畑】すごい断言きたな(笑)。

【きだて】ってぐらいには感動したのよ。今まではどんな蛍光マーカーを使っても、一定の太さのまっすぐな線をフリーハンドで引けたことはなかった。なんだけど、ほら皆さんご存知だと思うけど、俺はそういうのが「キーッ!」ってなっちゃうタチなわけですよ。

【高畑】それは分かりますよ。

【きだて】なので蛍光マーカーは、線がブレても最終的に書き直しができる「フリクションライト」を使ってたんだけどさ。でも、これはいける。俺がフリーハンドで真っ直ぐな線引けるんだから、ほぼ全ての人はこれでいけるはずだよ。

【他故】なるほど。

【きだて】それぐらい、ガイド機能がすごい。最初、発表会で「これならまっすぐ線が引けます」なんてパイロットの人が自信ありげに言うもんだから「またまたーw」ぐらいに思ってたんですよ。

【他故】はいはい(笑)。

【きだて】そこでサンプルを渡されて使ってみたら「まっすぐ引ける!」って、即オチ2コマみたいなやつ。いや、本当にちょっと感動した。


【他故】ははは(笑)。

【きだて】チップの偏りを解消するのにソフトチップ使うのは、今まで他のメーカーもやってきてるわけじゃない。ぜブラもやったし。

【高畑】ぺんてるとかもやってたね。

【きだて】ぺんてるもそうだね。なんだけど、あれはあれで筆圧のコントロールが難しいんだよね。

【他故】柔らかいからね。

【きだて】そう。大体は力入れ過ぎて太くなっちゃって、慌てて力抜くから逆にまた今度は細くなるみたいな、結構ウロウロとしたラインになっちゃうんだけどさ。「キレーナ」のキチントガイドなら、筆圧ベストの位置で絶対に止まるわけじゃん。メーカーが「これ以上は筆圧かけなくていいんですよ」っていうところに設定してくれてるわけでしょ。


【高畑】うん。

【きだて】もうね、力強いし、心強い。実際に書いてみると、本当にこれで失敗しないし。それプラス分厚いテキストなんかの曲面にも、ソフトチップのメリットでキレイに書けるというのは生かされつつで。


【他故】そうだね。

【キレイ】本当にもう、「お前はもう一生このマーカー以外使えません」って言われても、「はい、それで結構です」って言っちゃいそうなぐらいには今もう。

【他故】おお、すごい、すごい(笑)。

――そんなに気に入ったんですね。きだてさんが気に入ると、本当にすごいっていう気がしますよ(笑)。

【高畑】きだてさんが気に入ると、家にあるペンを全部入れ替えるぐらいの勢いになるものね。

【きだて】はい。なので、蛍光マーカーは全部入れ替えました。

【他故】ははは、すごいな(笑)。

【きだて】今までは、「フリクションライト」と「プロパスウィンドウクイックドライ」 を併用してたんだ。

【高畑】「プロパスウィンドウ」は好きですね。

【きだて】速乾性はいいなっていうのと、やっぱ見やすかったので。引き過ぎとかがなかったので、とりあえずそれにしてたんだけど、引き過ぎとか気にならないぐらいに真っ直ぐ引けるこの気持ちよさ。あと、筆圧が最適量になってるから、インクが出過ぎないよね。

【他故】ああ、そうだね。

【きだて】蛍光マーカーでラインを真っ直ぐ引こうとし過ぎて、どうしても押し付け過ぎてインク染みを大量に作っちゃうわけですよ。だけど、その辺のコントロールが良いせいか、押しつけっぱなしにしてもそんなにインク染みができないというか、ゆっくり引いても安心っていう感じ。

【他故】うん。

【きだて】ずっと止めてると、それシミはできるんだけど、動かしてる限りはそんなに気にならない。やっぱり、ゆっくり引くということは、をれだけ真っ直ぐ落ち着いて線が引けるってことじゃん。

【他故】そうだね。

【きだて】すぐに「あわわ」ってなっちゃう人も、これなら使える。という点で、あまりにも完璧。

【高畑】「控えめに言って最高」みたいなやつね。

【きだて】そう。今年の優勝ペンはこれ。

【他故】もうすでに優勝なんだ(笑)。

【高畑】きだてさんは何かにレビュー書いてたよね? 何かで激賞している記憶が…。

【きだて】ああ、Twitter(X)でほめた。

【他故】そうだね。それは見た。

【高畑】きだてさんがめっちゃほめてると思って、そのタイミングでは俺持ってなくて、それで買ってきたんだよ。確かにすごいなっていうのがやっぱあって。この発想っていうか、1回しならせるんだけど、しならせ過ぎないように止めちゃうっていうのが、確かに面白いよね。

【きだて】定規を使っても、定規にインクが付かないとか、色々と俺得なところがあり過ぎる。

【他故】そうやって考えると、全部盛りだものな。

【高畑】ぺんてるの先が柔らかい「フィットライン」(関連記事)と、トンボ鉛筆の「蛍コート」のいいとこ取りみたいな感じの。「蛍コート」もインク付かないけど、明らかに筒状になってるから。それに比べて定規に当てないというのはある。その代わりに定規のエッジからすこし外れたところにラインが引かれる。

【きだて】そう。Y軸がわずかにズレるので、慣れは必要。

【高畑】それと、「フィットライン」だと、押しつけちゃうとグニャってなっちゃうけど、それがならない。

【きだて】ただ、これ速乾も謳ってるじゃない。そこはちょっと惜しい。

【高畑】ああ、本当?

【他故】そこまででもない?

【高畑】速乾いいなと思ったんだけど、そうでもない?

【きだて】実際に比べてみると、「プロパスウィンドウ クイックドライ」の方が若干速い感じ。

【高畑】速乾というか、その下の文字のにじみ。下に書いてある文字のにじみみたいなのがほぼないなと思って、そこがいいなと思う。


【きだて】これゲルインクだとほぼほぼにじまないね。「Vコーンノック」はさすがににじんだ。

【他故】水性はダメか。

【きだて】ゲル水性もいけますみたいなことが書いてたから使ってみたんだけど、従来品よりはマシだけどにじむはにじむっていう。

【高畑】インクジェットの校正で引いてもほぼほぼにじまなかったので。教科書がにじまないのはもちろんなんだけど、インクジェットでプリントアウトしたものに線を引くことが多いので。

【他故】インクジェットはそうだね。

【高畑】結局、蛍光ペン何に引くの?といったら、下に文字があるときに引くじゃない。だから、下の文字がジワッといくのは嫌だな。それが本当にないなっていうのは実感としてはあるな。

【きだて】うちにはインクジェットがないから、インクジェットで試してなかったな。

【高畑】僕はプリントアウトしたものに使うことが多いので、そこが気にならないのはいいね。

【きだて】確かに、インクジェットもマーカーによってはにじむものね。

【他故】それはあるね。

【高畑】自分でゴシゴシこすらせてくれないので、そこはいいよね。思ったよりもソフトに当たってるんだよね。中の芯がヘロヘロなんだよね。

【きだて】めちゃめちゃ柔い。

【高畑】実は、すごいソフトに当たるんだよね。

【きだて】本当にね、パイロットは、樹脂ペン先のチューニング上手いなと思って。「筆なごみ」もそうだけど。

【高畑】チューニングが上手いというか、今回のは思いっきり柔らかくしてるけど、ガイドがあるから安心して柔らかくできるんだよ。

【きだて】そらそうか。

【高畑】これ以上絶対に押さないと分かってるから、ヘロヘロでなでるぐらいで動いてくれれば十分という感じなのかな。

【他故】そうだね。

【高畑】普通にこのペン先でガイドがなかったら、一発でクシャッていく感じの柔らかさだし。押し付けられないように、強制的に枠を付けたのがすごいなと思うし。面白いのは、右引きと左引きでペロっていく方向が、あっちに引っ張られ、こっちに引っ張られるみたいな。なんかあれ面白いよね。

【きだて】今までなかった感触だから面白い。色々試したくなるよ。

【他故】分かる、分かる。

【高畑】逆に力を入れると、プラスチックのところで擦っちゃうからね。まあ、使い切りだからいいんだろうけど。

【他故】でも、何回かやってるうちにだんだん感覚は分かってくるよね。「ああ、こういう感じなんだ」って。

【きだて】わりと慣れちゃうでしょ。

【他故】軸の横のとこに出てる色のチップの感じが割と好きで、全体が同じ色なんだけど、ここではっきり色が分かるというのと、ここに親指を当てると真っ直ぐちゃんとチゼルの頭がキレイに入るよっていう雰囲気になってるのはよくできてる。


――ああ、なるほど。

【他故】こういう風になっていると、「フリクションシナジーノック」みたいな問題が起きないわけじゃん。「どの色がどれ?」みたいな。

【きだて】そう。その辺は修正してきたなという感じはあるよね。同じやり方なんだけどね。同色軸にカラーパーツだけで色を示すという。「フリクションWaai」や「シナジーノック」と同じなんだけど。

【他故】でも、これはいいよ。

――ここの色が出てるところに指を置いて引くっていう感じなんですね。

【他故】真っ直ぐちゃんと当たるようになってるんですよ。

――インクの色はどうなんですか?

【きだて】まあ、ベーシックな色じゃない。

――淡い色もありますよね。

【きだて】淡い色はちょっと薄い。ペールトーンのはもうちょっと濃くてもいいかな。

【他故】ベーシックって言ってるやつも、そんなにめちゃめちゃ蛍光がきてないじゃん。

【きだて】そう。ベールトーンのグレーなんか、光の加減によったら「えっ引いたっけ」となるぐらいに見えない。

――「マイルドライナー」よりも薄い感じ?

【きだて】「マイルドライナー」よりも薄い。

【高畑】でも、このぐらいでいいんじゃないの?

【きだて】そうかね?

【高畑】俺は、このぐらいでいいと思うけどな。

――その辺は好みの問題ですかね?

【他故】そうだと思いますよ。

【高畑】俺は、蛍光ペンはグリーンを使う派なので、グリーンはこのぐらいでいいよ。「プロパスウィンドウ」もグリーンは弱めで、このぐらいのグリーンが好きなんですよ。

――それはペールグリーンじゃなくて普通のグリーンですか?

【高畑】そう。落ち着いた感じで、別に悪くないなという。

【きだて】色に関して言うと、ブルーがもう少し明るくてもいいかな。ちょっと暗いめ。

【高畑】ああ確かに、そうかもしれない。

【他故】そうだね、ちょっと沈んだ感じがするよね。

【きだて】そこが色的にちょっとだけ惜しかったかな。

【高畑】でも、控えめな薄い色でいいんじゃないかな。

【きだて】あとね、マーカーの方が面白過ぎて、細ペンの存在を忘れる。

【高畑】ああ、細ペンも付いているけどね。

【他故】このデザインだと、もしかしたら一生使わないで終わる人もいるかもしれない。

【きだて】可能性はあるよ。

【他故】あることに気が付かずに。

――全く白いから分からないかもですね。

【他故】分からないですよ。

【きだて】こちらに色表示がないからね。

【高畑】ツインタイプになってることに気が付いてないっていうのはあるよね。

【他故】ありえるね。

【高畑】それはありえる。

【きだて】俺も最初に記事書いた時に、細ペンの方を書き忘れててさ。「あ、いけね」って思って追記したんだよ(笑)。あまりにもインパクトがなさ過ぎて。

――細い方は普通なんですね?

【きだて】速乾インクっていう部分だけだね。

【高畑】そうだね、普通の細ペンなんで。

【きだて】もうちょっと細いと、記述に使いやすいんだけどな。そこは惜しかったかな。もう一段細いのが欲しかった。

【高畑】そうだね。

【きだて】あとね、本当に唯一にして最大の不満というか。これは何とかしてくれよっていうのが名前。

【他故】名前嫌い?

【きだて】「Waai」と同じ人がつけただろ?っていう。50歳のおじさんが店頭で言えないような名前をつけないでくれる (笑)。

【高畑】「『キレーナ』あります?」っていうのはずかしい?(笑)。

【他故】これは中高生が使うものだから(苦笑)。

【きだて】蛍光マーカーは、誰が使ってもいいものですよ。「Waai」と違って。これは社会人でも役に立つものなんだもの。逆に、中高生ばっか見てんじゃないよって。

【高畑】どうなんですかね? どっちかというと、ダジャレのネーミングセンスはおじさんぽい気がしなくもない。

【きだて】う~ん何かね、辛い。

――レジで「キレーナ」って言えないですか?

【きだて】何か言いたくないな。

【高畑】そっか、俺は割と平気だったな。そこはきだてさんだな。

――感覚的に好みが分かれるのかも。

【高畑】きだてさんは、ダジャレネーミングに関しては、昔から厳しいから。

【きだて】厳しくあたってるから。

【高畑】それよりも俺は、このボディのロゴ上に「キチントトトノウ」ってカタカナで書いてあるのが気に入らないんですけど。これは要らなくない? 「KIRE-NA」ってロゴで書いてある分には、英字で何か書いてあるなという感じなんだけど、カタカナで「キチントトトノウ」って書いてあるのはさ。しかも直接印刷で・・俺的には、そっちが気になる。

【きだて】それもそうだな。

――カタカナがカッコいいみたいな風潮があるじゃないですか。

【きだて】あるか?

【高畑】「Kept」がカタカナで「ケプト」があったじゃん。あれ、すごい売れてるみたいだよ。

【きだて】あれは“ひらがなニューバランス”と同じノリだろ。

【高畑】まあね。

【高畑】「RHODIA」の“カタカナロディア”と同じだね。

【きだて】それとこの「キチントトトノウ」はまた若干違うだろ、方向性が。

【高畑】違うね。

【きだて】それを除けば、本当に「ノーベル蛍光ペン賞をもらった?」っていうぐらいにはすごい発明だと思うよ。

【高畑】「ノーベル蛍光ペン賞」(笑)。

【きだて】まだもらってないなら、俺が推薦してもいいよ。

【他故】ははは(笑)。

――来年の「Bun2大賞」できだて賞を上げてください。

【高畑】十分その可能性はあるよね。いや、本当に良いペンだし、良い仕組みだと思うよ。

――店頭で試し書きをして、「これはすごい」と興奮してるカップルがいたらしいですよ。

【きだて】これは試し書き推奨ですよ。言われてもピンとこないと思うんだ。

【高畑】紙の上を書いている感じが筆記具じゃないんだよね。プラスチックを引っ張ってるから、今までの知ってる筆記具じゃないんだよね。

【きだて】そうね、それはそうだ。

【高畑】何をしてる感じが近いのか分かんないけど、なんかそういう感じ。

【きだて】そうだよね。タッチの部分は、ガイドの硬さだもんね。

【高畑】雰囲気として、これプラスチックの板を引っ張ってる感じじゃない? だから、蛍光ペンでもないし、もちろんボールペンでもないし。サインペン部分はほぼ感じないので。プラスチックが滑ってて。あと定規に当たってるのもプラスチックなので、プラスチックのなんか塊で引っ張ってる感じがして、感触が全然違うのが面白い。

【きだて】その辺はもう完全に「うわー、真っ直ぐな線が引ける」っていうのに夢中になり過ぎて、あんまり考えてなかったな。あまりにも虜になり過ぎてた。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】本当にいいんじゃない?

【他故】道具としてすごい新しいよね。

【高畑】定規に当ててずっと使ってたらすり減るのかもしれないけど、まあ使い切りだからね。

【他故】そこまで考えなくてもね。

【高畑】使い切るまで持てばいいという考え方だな。

【きだて】これ120円じゃん。さらに言えば、このインクの最適フローな感じからすると、結構持ちそうな気もするのよね。無駄に染み出さないというか。コスパ的に良さげな気もするし。

【他故】むしろ、こんなに色々詰め込んで120円はすごいよなと、俺は思ったんだよね。

――普通の蛍光ペンとそんなに変わらないですもんね、値段がね。

【他故】変わらないですよね。

【高畑】それにしても、「プロパスウィンドウ」以来の「おっ」ていう感じが。「プロパスウィンドウ」も、俺的には「こんなやり方があるんだ」と思ったけどね。

【きだて】そう、あれは感動したじゃん。

【高畑】「プロパスウィンドウ」の高いやつ出たじゃん。ペン軸の中にインクが通る道が付いてるっていう。

【他故】ああ、「プロマークビュー」だ。

【高畑】あれもすごいと思ったけど、これは全く別のところから来てるのが面白いな。

【きだて】よくもまぁ思いついたもんだよ。考えた人、えらい。

【高畑】これで油性マーカーを作ってほしい。

【きだて】あー。

【高畑】定規当てて引くじゃん。だから、油性マーカーでこれを作ってほしい。

【きだて】そうだね。油性マーカーでラインを引くことがあるものな。

【高畑】多分、文字書くときにはジャマだと思うんだよ。多分、ライン専門だと思うんだけど、油性でも全然あってもいいと思うな。

【きだて】DIYでも、油性ペンで墨付けする人がいるんだけど、定規とマーカーで墨付けするときは、確かにそうだな。

【高畑】油性マーカーで線を引いて、定規にインクが残るというのは、しょっちゅうあるので。片側は普通のマーカーで、もう片側にこのガイド付いてます、ぐらいしてくれたら。

【他故】そうだね。パイロットは今、そのクラスのペンがないので、出ても面白いかもね。

【きだて】そうだね、せっかくこんなにすごい発明をしたんだから、色々と活用してほしいね。これは本当に発明でした。

【高畑】今回「何のペンを紹介しますか」と訊かれたときに、きだてさんは即答で「キレーナ」だったものね。

【他故】ご指名だったね。

【きだて】キミらに取られてなるものかと思ったよ(笑)。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】その気持ちはすごいよく分かるというか、非常に良いよね。これは本当に良いと思います。

【きだて】他故さんや文具王のように、「お前ら、普通のマーカーでも真っ直ぐな線が引けるんだろう」という人に語ってほしくなかった。

【他故】いやいやいや(苦笑)。

【高畑】きだてさんが「俺が使いやすい」というのは分かる。

【他故】強いからね。意見としてしっかりしてるし。

【きだて】蛍光マーカーで10回のうち8回失敗する人でも、これなら100%いけるっていう。まあ、俺なんですけど(笑)。

【高畑】定規に色が付かないのがいいなと思っていて。そっちの方がむしろ僕は気に入ってる。でもメインとしては、軟質なペン先を使って、きっちり幅が一定に出るっていうのはすごいよね。

【きだて】キレイに引くときには当然定規を使いたいんだけど、とはいえ、もう定規使わなくてもなんとかなるかもって思えるぐらいにはゆっくり穏やかに線が引けるし、そういう意味でもすごく良い。不器用な人が自信を持てるマーカーだなと思って。

【他故】分かる、分かる。

【高畑】きだてさんが僕や他故さんに時々言う「お前らは書けるだろうが」って言う(笑)。

【きだて】そうそう。「書けるやつが高いところから語ってんじゃねーよ」っていう(笑)。

【他故】ははは(笑)。

【きだて】俺は、みんなと同じで低みにいますから。

【高畑】そういう意味ですごく信じてるのは、きだてさんが「このグリップは滑らない」って言った時は(笑)。

【他故】それはもう絶対だよ。

【高畑】あと「これは絶対失敗しない」って言ったときの商品の性能は本当にすごいよ。

【きだて】それは信じてもらっていいと思うよ。

【高畑】これはね、これを読んでいる人も1 回試してみてほしい。でも、新感覚だよね。

【きだて】本当に試し書きしてほしい。この感覚をね、ちゃんと味わわないともったいない。

【他故】もったいない。

【きだて】でも、120円なので買いなさいよ。

【高畑】このペン先だと、店頭で何度も試し書きされても潰れないんじゃない?

【他故】そうだろうね。

【高畑】店頭でよく潰れている試筆用のペン先があるけどさ。

――あまりにも引かれ過ぎて、インクがなくなっちゃってたりするかも。

【高畑】あっ、その可能性はあるかもね。

【きだて】楽しいからね。

【高畑】引いているだけで面白いから、楽しいよねって言いながらこうやってずっとさっきから線引いてるけど。

【他故】ははは、私もさっきから引いてるので(笑)。

【高畑】ずっと引いているけど、安定して引けるのは間違いないよね。

【他故】本当にインクを吸わないので有名な「Lライティングペーパー」ですらあっという間に吸ってくれるから、すごくいいよ。

【きだて】とはいえ、乾燥に関しては、インクをそこまで吸わせない方向でチューニングしたとパイロットの人は言ってたよ。

【他故】いやでも、速いよ。

【きだて】だから「『瞬筆』と同じタイプ?」って訊いたら、「瞬筆」(関連記事)とは違うと言ってた。「瞬筆」は紙に吸わせるタイプじゃん。「裏抜けが恐いから、吸わせ過ぎずに乾燥を高めるタイプでいきました」とは言ってた。

【高畑】今書いてるけど、それは大丈夫っぽい。きだてさんが言っていたように、これ以上押し付けられないから。

【他故】インク溜まりができないからね。

【きだて】そう、色々と上手い。

【高畑】紙の質にもよるけどね。手帳だったら大丈夫だけど、文庫本みたいな紙だとちょっと染みるんだけど、それは紙質が低いからしょうがないよね。

【きだて】それはな。

【高畑】とにかく、革命的な商品。

【他故】めちゃくちゃいいです。

【高畑】ここしばらくは、ブラッシュアップとかカラーチェンジとかそういうものが多かった中で、全く違う系が出てきたのが嬉しいよね。

【きだて】久々に発明を見たという感じがしたよ。

――これは、市場での反響がどんな感じかちょっと楽しみではありますね。情熱的に語るきだてさんを久しぶりに見れたので良かったです(笑)。

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