【人生相談】「孫の顔が見たいのに、遠方の息子夫婦が帰ってきてくれずに寂しい」に住職が名回答!

62歳女性「結婚して遠方に住む息子家族。孫の顔を見たいのに帰って来てくれなくて寂しい…」というご相談。「還暦を過ぎても、人は“人生で初めてのこと”を経験します」と住職・名取芳彦さん。仏教の教えをわかりやすく説いて「穏やかな心」へ導きます。

62歳女性「遠方の孫ともっと会いたい…」という相談

息子二人が結婚して独立しているのはうれしいのですが、どちらも遠方に居を構えているので、なかなか会えなくて寂しいです。

もっと孫の顔が見たいと思っていますが、お嫁さんに遠慮してしまい、どう声かけしたらいいのか、わかりません。

連休やお盆、年末年始など、気持ちよく帰ってきてもらえるようにするには、どうしたらいいか教えてください。

(62歳女性・みいこママさん)

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名取さんの回答:「少なくとも間違いではない」方法で誘ってみて

 還暦を過ぎても、人は“人生で初めてのこと”をたくさん経験します。結婚して遠方に住んでいる二人の息子の母になる、ということも、みいこママさんにとって、生まれて初めての経験でしょうし、祖母になるのも初めてでしょう。

初めてのことへの正しい対処法は、経験したことがないので、誰にもわかりません。わからなくて当たり前なのです。そして、対処法が正しいか、間違っているかは、いつも結果論です。

「こうすれば正しいだろう」と思って実行しても、結果はあとにならないとわかりません。そしてその結果も、時間が経ったり、他の縁が加わったりすることで、また引っくり返ることがあります。

ですから、自分が「正しい」と思うこと、あるいは「少なくとも間違いではない」と思うことを、えいッ!と、やってみるしかありません。

こうしたことを踏まえて、みいこママさんのお悩みにお答えすると……息子さんの家庭にも、それぞれ事情があるでしょう。

子育てに日々忙殺されてクタクタになっているかもしれません。収入と支出のバランスがトントンかもしれません。そのような事情を、息子さんに電話やメールで聞けるなら、直接お聞きになるといいでしょう。

実家に子どもたちを連れてくる時間が取れないなら、みいこママさんのほうから会いに行けばいいでしょう。息子さんの家に宿泊するのがはばかられるなら、ホテルに泊まればいいのです。

連休やお盆、年末年始などに合わせて、観光地で全員集合する手もあります。息子さんに経済的に余裕がないなら、実家までの旅費や宿泊費を助成してあげてもいいでしょう。

「一緒にご飯を食べよう」「孫を連れて行ってあげたい(一緒に行きたい)場所がある」など、孫たちに会う口実は、佃煮にできるくらいあります。

「そんなことを言えば、お嫁さんがどう思うかわからない」と心配になるかもしれませんが、誘い方が正しいか、間違っているかは、後にならないとわからないのです。

誘い方をお友達に聞いてみるのもいいでしょう。「私が採用した誘い方を提案してくれた人にランチをご馳走します」とアイデアを募集してもいいかもしれません。三人寄れば文殊なみの知恵が発揮されます。