【セルフチェック】その寝汗、放っておくと危険かも⁉ 受診が必要な症状の目安と注意すべき病気とは

ひどい寝汗の原因は、ストレス、女性ホルモンバランスや自律神経の乱れ、薬剤性、病気の影響などさまざまです。原因や考えられる病気、大量の寝汗の対処法について詳しく解説します。睡眠の質の低下、体臭などの悩みにつながる寝汗は、早めの解決を。

なぜ?寝汗をかく理由

寝汗は人間の自然な生理現象で、どんな人でもかくもの。人間は寝る時に体温を下げることで深い眠りに入ろうとしますが、このときに体温調節を目的としてかくのが「寝汗」です。

風邪やインフルエンザなどで熱が出たときにも汗をかきますが、これも同じように体温を下げて適切な体温に保とうとする働きのためです。

健康な大人の場合でも、一晩にコップ1杯ほどの寝汗をかくといわれています。

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ひどい寝汗の原因

寝汗は生理現象の一つであり、誰でもかくものとはいっても、「寝汗がひどくて夜中に目が覚めてしまう、よく眠れない」「寒い冬でも寝汗をかく」「朝起きるとパジャマやシーツが寝汗でぐっしょり濡れている」といったひどい寝汗は、体によくありません。

ホルモンバランスや自律神経の乱れの他、何かの病気が原因になっている可能性も考えられます。

ここからは、ひどい寝汗の原因について見ていきましょう。

ストレス

過度な精神的ストレスがあると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできなくなって自律神経の働きが乱れ、大量の寝汗が起こることがあります。

ストレスの多い環境では、寝ているときに悪夢を見ることもありますが、怖い夢を見ると交感神経が活発になり、発汗につながります。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れも、寝汗に影響する要素です。女性は生理、妊娠・出産、更年期などホルモンバランスの変化によって体にさまざまな変化が起こります。

生理・PMS(月経前症候群)

生理前の時期の寝汗の場合、PMS(月経前症候群)の影響が考えられるでしょう。

排卵期以降は女性ホルモンのプロゲステロンが増加しますが、この影響で普段よりも0.3~0.5℃ほど体温が高い状態が続き、寝汗につながっている可能性も考えられます。

更年期

更年期には、「ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)」の影響で大量の発汗や寝汗が起こることがあります。これは、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量の低下が影響しているといわれています。

ホルモンバランスが乱れると、それに連動して体の機能を調節している自律神経の働きが乱れるため、寝汗などの症状が起こるのです。

手足は冷えているのに、顔や胸元からどっと汗が流れることもあります。

更年期の精神的発汗では、ベタベタして、乾きにくい汗をかくことが特徴です。アンモニアなどが含まれていることも多く、汗自体の臭いが気になることもあるでしょう。

アルコールの飲み過ぎ

アルコールを摂取すると、アセトアルデヒドと呼ばれる有害物質が発生します。

アセトアルデヒドは肝臓によって分解され、汗や尿として体外に排出されますが、アルコールを飲み過ぎるとアセトアルデヒドの排出のため寝汗が増えてしまいます。

睡眠環境の影響

室温や通気性の悪いパジャマ(寝間着)や寝具なども、寝汗が増える原因です。

冬場に寝室の室温を暑くし過ぎると、寝汗につながることも。一度、睡眠環境の見直しを行ってみるといいでしょう。

薬の影響

薬を服用している人の場合、薬の影響によって寝汗がひどくなることもあります。一部の降圧剤 ・抗うつ薬・解熱鎮痛剤などが寝汗の原因になっている可能性も考えられるでしょう。

特に、抗うつ薬は、寝汗の原因になることが知られています。これは、一部の抗うつ剤にアドレナリン分泌量を増加させ、発汗を促す作用があるためです。

薬が原因となっていると考えられる場合は、勝手に薬の服用を中止せず、必ず医師に相談しましょう。

病気の影響

なんらかの病気の影響により、大量の寝汗につながっている可能性も考えられます。ひどい寝汗をかくときに注意したい病気については、次の項目で詳しく解説します。