50代デリケートゾーンのかゆみ・たるみ、ちょい漏れに。症状をケアする正しい方法とは?

デリケートゾーンケアは50代から始めても遅くありません。年齢を重ねると、ホルモンバランスの変化によるトラブルに見舞われがち。気になっていても誰かに相談できず、どうケアしたらよいのか悩んでいる人、おすすめケアアイテムが知りたい人は必見です!

50代前後からデリケートゾーンに起こる変化とは

星野スウ/PIXTA

年齢を重ねるにつれて気になり始めるのが、デリケートゾーンに起こる変化です。以前は起こらなかったトラブルが気になるようになり、人知れず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

デリケートゾーンとは、女性器そのものとその周辺のことを指す言葉です。ひと昔前までケアする人は少なかったですが、近年ではセルフケアを行う人が増えています。

そんなデリケートゾーンの変化を実感し始めるのが、50代前後の更年期世代。肌や髪、筋力などさまざまな部分が若い頃と変わってくるように、デリケートゾーンにも変化が起こります。

50代前後の女性のデリケートゾーンに変化が起こるのは、ホルモンバランスが急激に減少するからです。

女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、それぞれに女性の体の健康や美しさを保つ重要な役割を担っています。

koti/PIXTA

特にエストロゲンには女性らしい体づくりや自律神経の安定、肌の健康維持など女性の体に関わる働きがあるため、40歳を過ぎてエストロゲンが急激に減少すると体の見える部分だけでなく、精神面やデリケートゾーンまでさまざまな症状が現れます。

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50代前後のデリケートゾーンに起こりやすい症状

しろみず/PIXTA

デリケートゾーンに変化が起こる50代前後は、いわゆる「更年期」と呼ばれる時期。

人によって年齢や期間、症状に違いはありますが、閉経を迎える前後10年、一般的には45〜55歳頃であることが多いです。

この更年期には、女性ホルモンの減少によってデリケートゾーンにもさまざまな症状が現れます。

ここでは、50歳前後のデリケートゾーンに起こりやすい症状について詳しく紹介します。

乾燥

50代前後になると、女性ホルモン・エストロゲンが急激に減少し、コラーゲンやヒアルロン酸も減少して肌の潤いが不足しがちになります。

それに伴ってデリケートゾーンの皮膚や膣内の粘膜の潤いも不足するため、外陰部や膣が乾燥しやすくなります。

更年期以前まではデリケートゾーンのムレが気になっていた人でも、乾燥していると感じるほど、50代前後の女性にとって身近な変化です。

乾燥によって細菌が繁殖してニオイも出やすく、汗で蒸れるとさらに独特のニオイが生じることもあります。

かゆみやひりつき

エストロゲンの急激な減少により、デリケートゾーンの乾燥が進むと、膣内の潤いが失われるとともに自浄作用も低下します。

自浄作用とは、膣内を常にpH4前後の酸性に保ち、外部からの雑菌の侵入や繁殖を防ぐ作用のことです。

女性ホルモンのバランスが崩れると、自浄作用が低下してかゆみやひりつきが生じたり、炎症が起こったりすることがあります。

頻尿・尿漏れ

50代前後の女性のデリケートゾーンに関するお悩みで多いのが、頻尿や尿漏れの症状です。

年齢を重ねて女性ホルモン・エストロゲンが減少すると、膀胱を支えている「骨盤底筋」が弱まり、尿道がゆるむことで頻尿や尿漏れが起こりやすくなります。

骨盤底筋とは、膣や子宮、膀胱などを正しい位置に保持し、排尿や排便をコントロールする役割を担っている筋肉と靭帯の総称です。ハンモックのように臓器を下から支えているため、骨盤底筋がゆるむと排泄が正常に行われなくなってしまいます。

かぶれ

デリケートゾーンが乾燥して肌のバリア機能が弱まると、これまではなんともなかったような刺激にも敏感に反応して、肌がかぶれてしまうことがあります。

例えば、デリケートゾーンに使っているソープが合わない、おりものシートや尿漏れパッドを常につけている、下着の締め付けやカミソリでのムダ毛の処理などで肌がかぶれてしまうこともあるでしょう。

50代前後になると尿漏れパッドを付ける人も増えてきますが、通気性が悪くデリケートゾーンが擦れてしまい、かぶれがひどくなってしまうこともあるため注意が必要です。

たるみ

デリケートゾーンのたるみも、50代前後の女性に起こりやすいトラブルの一つです。

年齢を重ねると顔や体の皮膚にシワができたりたるんだりしますが、外陰部にも同じようにたるみが現れることがあります。

大陰唇(※1)や小陰唇(※2)がたるむと、左右さが生じたりシワができたりして見た目にもわかりやすく年齢を感じやすいため、気にする人が多いです。

また、下着や陰毛との摩擦が長期間起こることでメラニン色素が増えて黒ずみが発生し、悩んでいる人もいます。

(※1)太ももの付け根と小陰唇の間にあり、脂肪が豊富で尿道口や膣の内部を保護している部分

(※2)尿道や膣口付近にあるヒダでいわゆるびらびらと呼ばれる部分

膣のゆるみ

膣のゆるみも、50代前後の女性のデリケートゾーンに起こりやすい症状の一つです。

お風呂やプールなどに入って上がった後に膣内に入った水が漏れてしまう場合や、性交時の快感が得にくくなった場合などは、膣にゆるみが生じている可能性があります。

膣のゆるみが生じる主な原因は、「骨盤底筋」の衰えです。加齢や出産、運動不足、女性ホルモンの減少によって骨盤底筋が衰えると、膣を締める力が弱まってゆるみにつながります。

性交痛

性交痛とは、性交時に痛みを感じたり出血したりする症状のことです。膣の粘膜が弱まって分泌物が減少することで起こります。

50代前後になると、女性ホルモンの分泌量が減少して膣内の潤いが不足するため、性交時に十分な潤滑液が分泌されにくくなります。

痛みを我慢して性交を続けると、出血したり傷口から感染したりする可能性があるだけでなく、「痛いかも」「また濡れないかも」などと不安に思うことで、さらに潤滑液が不足して痛みが増すという悪循環に陥ることもあるでしょう。