日本人は老後の資産に不安を抱いている
こうした差は、セカンドライフに対しての不安にも大きな差となって表れています。
内閣府のデータによると、日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデンでの調査で「現在の貯蓄や資産は老後の備えとして十分か」という問いかけをしたところ、「十分」「まあ十分」と回答した合計の割合は、スウェーデンが72.7%、アメリカが68.8%、ドイツが66.3%、日本が37.4%と圧倒的に少ない割合でした。
資料:内閣府「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(平成27年)
また、「やや足りない」「まったく足りない」と回答した合計の割合は日本が57.0%と最も多い結果となったのです。日本のシニア層がいかに今後の生活に不安を抱いているかがわかるデータだと思います。
日本では、現役時代に金融資産を有効活用できずに、セカンドライフに対して十分な資産を蓄えられなかった、そのため、将来の生活に不安を抱えているシニアが欧米と比較し、多く存在しているのではないでしょうか。また、私の実務経験上、金融資産が十分にあってもセカンドライフに不安を抱いている方は、一定数いらっしゃいました。
セカンドライフにいくらくらい資金が必要かわかっていないから、漠然とした不安を抱いてしまっているのでしょう。つまり、金融リテラシーを高めてこなかったことによる、情報・知識不足も、老後不安の一因といえるでしょう。
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楽しい老後を送りたいならお金の知識を身につけよう
ソニー生命が2022年、50歳から79歳の男女1000人に現在の楽しみを聞いたところ、1位は「旅行」(45.3%)、2位「テレビ/ドラマ」(38.6%)、3位「映画」(29.5%)、4位「グルメ」(28.5%)、5位「読書」(26.6%)でした。
こうしたデータから、老後の楽しみとして、旅行や趣味にお金や時間をかけていきたいという日本のシニアの思いも浮き彫りになっているように思います。
そこで、インフレ時代に突入した昨今、セカンドライフでお金に困らないための基礎知識を短期連載でお届けします。
欧米のシニアのように投資について正しい知識を身に付け、人生を豊かにするツールとしてうまく活用していくことで、お金の不安から解放され、趣味や家族との時間を楽しみながら人生を送ることは可能だと私は考えています。