12月7日は二十四節気の「大雪(たいせつ)」。冬の3番目の節気です。熊が冬眠をはじめるこの時期は、私たちも冬ごもりをしてゆったり過ごすのがおすすめ。そんな冬ごもりのおうち時間を楽しむための薬膳おやつ&ドリンクをご紹介します。
かつては人間も冬眠していた!?
12月7日からはじまる「大雪」は、20日まで続く節気。雪が積もりはじめる季節であることから、この名で呼ばれるようになりました。
大雪の次の節気は冬至。今は、一年で最も昼が短く夜が長い冬至の日(21日)に向かって夜がどんどん長くなっていますが、冬至の日を過ぎると一転して昼が長く、夜が短くなりはじめます。つまり大雪は、夜が長くなる最後の節気。夜の陰気が最も満ちている季節なのです。
そんな大雪は、熊が冬眠をはじめるときでもあります。熊は冬眠中に体重が20~30%も減少するので、そのぶんのエネルギーを体内に蓄えるために秋頃から食欲が旺盛に。熊が食糧を求めて民家に出没するニュースも、秋頃から多くなりますよね。昨年は暖冬の影響で熊の冬眠時期が遅れましたが、今年は例年どおりこのタイミングで冬眠できると、熊にとっても人間にとってもいいことなのでしょう。
そもそも冬眠とは、冬に食糧の確保が難しくなる動物たちが代謝を低下させてエネルギー消費を極限まで抑え、体を休眠状態にして冬を乗り切ろうとする生存本能。熊以外の哺乳類ではヤマネ、コウモリ、リス、ネズミなどに冬眠する動物がいます。
人間は、もちろん冬眠しません。が、ある研究では、ネアンデルタール人の祖先にあたる古代人類の骨に冬眠する生物ならではの特徴が見つかり、人類はかつて冬眠していた可能性があるという報告がされているそうです。私たちも秋に食欲が旺盛になり、冬になると代謝が低下して脂肪がつきやすくなりますが、もしかしたら遠い祖先の生存本能の名残り・・・かもしれませんね。
そんな人類の冬眠について知ってか知らずか、古くから東洋医学では「冬は生命力を蓄える季節」とされています。森の動物たちが栄養をたっぷり蓄えて冬眠しはじめる大雪の節気は、私たち人間も心身をゆっくり休ませて冬ごもりの時間を楽しむことが養生となるのです。
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冬ごもりのおうち時間は“薬膳おやつ”をお供に
冬ごもりの時間を楽しむなら、おいしいおやつがお供にほしいもの。おやつというと「太るかも?」といった罪悪感が多少なりとも頭をよぎるかもしれませんが、実は、おやつも選び方次第で薬膳効果を得られるのです。せっかく食べるなら、薬膳効果が期待できるおやつを賢く選びたいですよね。
そこでまずは、そんな薬膳おやつ選びの大前提となるポイントを押さえておきましょう。
①できるだけ加工度が低いおやつを選ぶ
ドライフルーツのように素材を干しただけものや、やきいものように素材を焼いただけのもののように、できるだけ調理過程がシンプルで加工度が低く、素材のよさを活かしているおやつがおすすめです。クリームなどの油脂が多いものや添加物が多いものは胃腸に負担がかかるため、あまり薬膳効果が期待できません。
②冷たいおやつは避ける
アイスクリームや冷たいデザートなど、冷えた状態で食べるおやつは胃腸を冷やしてその働きを低下させるため、栄養や水分を消化吸収する力が悪くなり、体内に余分な老廃物や水分がたまりやすくなります。その結果、むくみ、冷え、肥満、消化不良、食欲低下などを招く原因に。おやつは常温以上のものを選ぶか、冷えている場合は常温に戻してから食べましょう。
③スイーツは白砂糖ではなく、黒砂糖やはちみつを使ったものを
白砂糖は体内に余分な水分を生みやすく、その水分によって体が冷えやすくなったり、むくみや肥満の原因となったりします。一方、黒砂糖には胃腸を温める性質や血行をよくする性質が、はちみつには疲労を回復する性質やのどの乾燥を潤す性質などがあり、特に冬はおすすめです。スイーツを選ぶ際は、甘味料になにが使われているのかをチェックしましょう。
この3つのポイントを押さえたうえで、メインで使用されている食材に着目して薬膳おやつを選んでいきましょう。