今すぐ補修すべきひび割れの特徴
ここまでひび割れの種類について解説しましたが、具体的にどのようなひび割れが特に危険なのでしょうか。ここでは、今すぐ補修すべきひび割れの特徴について解説します。
ひび割れ幅が0.3mm以上ある
幅0.3mm以上0.5mm未満の「補修が望ましいひび割れ」の場合、可能であればこの段階で補修をしたほうがよいでしょう。0.3mm以上のひび割れとなると、コンクリートの深い部分にまでひびが入っている可能性もあります。そうなると、雨水の侵入や経年劣化によるひび割れの進行速度も速まるため、深刻なひび割れになってしまうのも時間の問題です。
複数のひび割れが一部分に集中している
ヘアークラックのような軽微なひびでも同じ場所に集中している場合は、基礎部分に想定以上の負荷がかかり、ひび割れとなって現れている可能性があります。1m以内に複数のひび割れを発見したら、まずは業者に相談することをおすすめします。
基礎を縦断している
ひび割れが基礎部分の下辺から上辺まで達しているものも危険です。また上部が広がった形状のひびも強い負荷がかかっているサインです。放置しておくと家の耐久性が著しく低下するかもしれません。
横や斜めに伸びている
横方向や斜めに伸びているひびも要注意です。この場合は設計や施工の不良で、基礎部分に大きな負荷がかかっていると考えられます。そのため、新築の住宅でも起こり得ます。
ひび割れの周りに雨染みが発生している
雨が降っていないのに基礎部分に雨染みがあるのも、危険なひび割れです。雨水の浸入により、コンクリート内部の鉄筋がサビるなど腐食していたりする可能性があるためです。最悪、鉄筋が破損し、基礎に致命的なダメージを与える場合も。
加えて、湿気が原因でカビやシロアリが発生するという弊害が生じることもあります。専門家に診断してもらい、早急に対処してもらいましょう。
基礎のコンクリートの表面が剥がれ落ちている
基礎のコンクリートの表面が剥がれ落ちている場合は、非常に深刻な状態と考えられます。内部の鉄筋がサビて膨張し、内側のコンクリートが押し出されて、表面のコンクリートがその圧力に耐えきれず剥がれ落ちてしまっているのです。基礎部分の強度がほとんど失われ、建物全体への影響が懸念されるため、業者に補修してもらう必要があります。もしも、自宅で見つけた場合は自分で直そうとするのではなく、すぐに業者に依頼しましょう。
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家の基礎のひび割れ補修方法
ここでは家の基礎に生じたひび割れの補修方法について解説します。
軽微なヘアークラックは自身でも補修可能
軽微なヘアークラックはDIYでの補修が可能です。工程としてはひび割れ箇所の補修と塗装の2段階に分かれています。
ひび割れ箇所の補修は「フィラーすり込み」や「Uカットシーリング処理」が代表的な方法です。
1.フィラーすり込み
ひび割れ部分に直接微弾性フィラーをすり込んで補修します。あくまで表面をカバーするだけで直接的な解決にはならないため、ひび割れが再発する可能性があります。その後の経過観察も定期的に行うようにしましょう。
2.Uカット(Vカット)シーリング処理
ひび割れ部分を専用カッターでU字型(V字型)に取り除き、専用プライマーを塗布して補修する方法。少し深めのひび割れまで補修できるのが特徴です。
次に、塗装です。補修後は補修跡が目立つため、塗装をしておくと見た目がきれいになります。また塗装には防水効果もあります。補修効果を長持ちさせるためにも、塗装にもしっかり気を配りましょう。
危険な構造クラックは業者に依頼を
あくまでDIYで補修できるのは軽微なひび割れだけです。構造クラックは正確な診断のうえで適切な対処をしなければ、建物に深刻な二次被害を及ぼすかもしれません。
もちろんDIYで対処するよりも費用がかかってしまいますが、建物全体を守るための必要経費だと考えましょう。
ひび割れ補修の費用相場
軽微なひび割れ補修だけなら数万円、業者に依頼すれば数十万円かかるのが相場です。さらに塗装まで行う場合も数十万円はかかると考えられます。ただし、ひび割れの範囲や進行具合によって補修費用は大きく変わってきます。業者に依頼する場合は複数社に見積もりを出してもらうなど適切な価格で依頼できるようにしましょう。
また、ひび割れの原因が地震や風災、雹(ひょう)災のような災害であれば、地震保険や火災保険を適用できるかもしれません。くわしく知りたい場合は保険会社に問い合わせてみましょう。