西武・平良海馬が埼玉県所沢市の球団事務所で契約更改に臨み、起用法をめぐって保留したことが2024年12月3日に報じられた。保留の理由は金銭面でなく、起用法だ。
平良は先発を希望 球団は中継ぎの構想
スポーツ紙デスクはこう指摘する。
「球団は平良を中継ぎで起用する構想を考えていたが、平良は先発を希望している。その溝がなかなか埋まらない。両方の言い分が分かるだけに難しい問題です。ただ、平良は将来的にメジャー挑戦の意向を表明している。先発の方がリリーバーより市場価値が高いので、先発で勝負したいと主張するのは理解できます」
平良は19年からリリーバーとして稼働し、4年間で計203試合登板。22年はリーグ最多の61試合登板で1勝3敗9セーブ34ホールド、防御率1.56で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。
同年オフに先発転向を訴え、2度目の交渉で認められる形に。先発にまわった昨年(2023年)は11勝7敗、防御率2.40をマーク。
今季も開幕から先発要員でスタートしたが、右前腕の張りで5月上旬から約3か月登録抹消に。首脳陣からの打診で救援に配置転換された。22試合登板で3勝2敗9ホールド、防御率1.66をマークした。
(広告の後にも続きます)
先発陣は充実も、救援陣の再建が急務の西武
球団史上ワーストの91敗を喫した西武は、貧打の解消と共に救援陣の再建が重要事項になっている。
先発陣は今井達也、隅田知一郎、武内夏暉、高橋光成、渡邉勇太朗ら力のある投手がそろっているが、ブルペン陣は層が薄い。
球団記録の通算194セーブを記録した増田達至が今季限りで現役引退。リーグ2位の今季28セーブを挙げたアルバート・アブレイユも契約保留者名簿から外れ、自由契約となった。
球団とすれば、リリーフで実績十分の平良に「勝利の方程式」の一翼を担ってほしいだろう。
チームの命運を握る起用法となるだけに、どのような形で決着するか注目される。(中町顕吾)