心身のさまざまな変化を感じることが増えてくる50代。
とりわけ大きな変化が「閉経」です。単に月経が来なくなるというだけでなく、女性ホルモンの低下から病気のリスクが高まることも。
そこで、50代から注意したい女性疾患について、女性医療に詳しい善方裕美先生に伺いました。

教えてくれたのは・・・
善方裕美先生
よしかた産婦人科院長。30年以上にわたって、更年期女性のサポートに尽力する女性ヘルスケア専門医。カウンセリングやホルモン補充療法、漢方薬など多角的な治療を行う。著書に『女医が教える閉経の教科書』(秀和システム)など。

泌尿生殖器の萎縮

☑︎ どんな病気か
泌尿生殖器の潤いがなくなり、膣や外陰部が萎縮する

☑︎ 症状
外陰部の違和感、ヒリヒリする痛み、性交痛 など

☑︎ 治療法
エストロゲン膣錠や膣内レーザー治療 など

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外陰部や膣の潤いが不足し違和感や痛みが現れる

骨盤を支える筋肉の周りや膣には、エストロゲンの受容体がたくさんあります。受容体にエストロゲンが合体すると、分泌液が出て、潤いを与えるしくみになっています。 
しかし、エストロゲンが急減すると、血管や細胞が萎縮して、分泌液が不足します。

炎症が起こる外陰部や膣の潤いが不足し違和感や痛みが現れると、歩くときに痛みや不正出血が起こることも。性交痛を訴える人も少なくありません。

「治療には、膣内に挿入するエストロゲン膣錠や膣の潤滑ゼリーが用いられます。ホルモン作用は弱いので、乳がんや子宮体がんなどの心配はいりません」 ほかに、保険適用外ですが、膣内にレーザーを照射して、膣粘膜の再生を促す「膣内レーザー治療」もあります。