盛土とは?メリット・デメリットや家づくりでのチェックポイントを解説

盛土をするデメリット

次に、盛土のデメリットを見ていきましょう。盛土のデメリットには、主に次の2つが挙げられます。

 

コストが高い

盛土は浸水被害の予防やプライバシー保護に役立つ工法ですが、コストが高いというデメリットがあります。コストが高い理由は、材料費と地盤改良工事費用がかかるからです。地形や土の状態によって相場が異なることから、地域によっても多少のばらつきがあります。

一般的には、1平方メートルあたり4,000~5,000円程度が相場といわれています。4,000円の地域で約60坪の土地に盛土を行う場合、盛土だけで80万円ほどの費用が必要になるのです。安全性や防犯性が高まるため、見方によっては良心的な価格かもしれません。しかし、建物にかける費用を考えると、かなり出費となるでしょう。

ちなみに、盛土をする際は必ず地盤改良を行わなければならないという決まりはありません。しかし、盛土をする前に地盤改良工事を行うことで、地盤が沈下するリスクを下げられるというメリットがあります。

もちろん、土地によっては地盤改良工事が必須の場合もあります。地盤改良工事を行うかどうかは、事前に地盤調査をしたり造成前の土地の状態を確認したりして決定します。地盤調査が必要な場合は、地盤改良工事費用がいくらになるのかを確認しておくことも大切です。

 

違法な盛土による地盤沈下や土砂災害のリスク

盛土は「盛土規制法」に則って行わなければならない工事です。このルールを無視して盛土を行うと、さまざまなリスクが高まります。違法盛土に関して令和5年5月には、新たな法律が制定されるほど問題視されているのです。新しく定められた法律では、盛土の規制区域が指定されたことや、指定されている区域での盛土には許可が必要になるなど安全性が強化されました。

違法な盛土によるリスクとしては、地盤沈下や土砂災害が挙げられます。地盤沈下や土砂災害は、国が定めた許可基準に則って盛土を行うことに加え、十分に締め固める・造成前の土地の状態をしっかりと確認する・必要に応じて地盤改良工事を行うことなどで防げる事故です。しかし、悪質な業者は違法な盛土を行うこともあり、事故が起こってしまうケースも少なくありません。

 

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盛土造成地で家を建てる前のチェックポイント

場合によってはリスクをもたらす盛土ですが、家を建てる前の事前チェックをしっかりと行っておけば、リスクを減らしたり、対策を考えたりできます。ここからは、盛土造成地で家を建てる前のチェックポイントを見ていきます。

 

液状化のリスクがないか確認する

地震が発生した際の液状化リスクを確認しましょう。液状化のリスクは、国土交通省がまとめている地形区分ごとの液状化リスク情報やハザードマップで調べられます。液状化リスク情報は、国土交通省「地形区分に基づく液状化の発生傾向」を確認してみてください。

ハザードマップは各自治体がホームページなどで公表しています。局所的なリスクを確認したい場合はハザードマップをチェックしましょう。

特に木造住宅は、液状化によって傾斜や沈下といった被害を受ける可能性が高まるため注意が必要です。

 

購入・建築予定の土地周辺の災害履歴を確認する

盛土造成地で地震や台風といった自然災害による住宅への影響を最小限に抑えるには、購入・建築予定の土地周辺の災害履歴を確認することも大切です。盛土造成地は地盤沈下や土砂災害が発生するリスクがゼロとはいえないため、災害が多い地域に住むとなると、同じような被害を受ける恐れがあり、不安が拭えません。

盛土造成地で家を建てるなら、災害履歴をチェックしたうえで、どのような対策を採っていくかをしっかりと考える必要があるでしょう。

 

地盤の安全性や地盤対策を確認する

購入・建築予定の土地が大規模盛土造成地であれば、自治体がその土地の安全性を評価するという決まりになっています。評価済みであればすぐに結果を聞くことも可能です。

加えて、過去に行われていた地盤対策についても調べておきましょう。地盤対策が行われていない盛土での建築は危険です。よりくわしく調べたい場合は、地盤調査を依頼しましょう。