50代以上は「脳のゴミ」をためない!10年後も元気な脳を保つ賢い食事術

認知症を遠ざける上で、一番大切とも言われる毎日の食事。そこで注目されているのが、脳のダメージにつながる要因を増やさせない食事法「ケトフレックス12/3」です。脳を元気にする食事法について、ブレインケア専門医の今野裕之先生に教えてもらいます。

認知症の原因になる脳のゴミとは?

さゆ吉 / PIXTA

認知症の約6割を占めるアルツハイマー病は、脳のゴミとも呼ばれる「アミロイドβ」という特殊なタンパク質の蓄積が原因の一つとされています。

アミロイドβは「体内の炎症」「栄養不足」「毒素(水銀や化学物質)」などによって増えてくることがわかっていますが、これらと深く関わってくるのが毎日の食事です。

主食として口にすることが多い白米やパン、麺類などの炭水化物中心の食生活は血糖値が高くなりやすく、ビタミンやミネラルなどの栄養素が不足しがちになります。また揚げ物や加工食品ばかり食べていると炎症が起こりやすくなり、血管が傷つき、硬くなります。すると脳に栄養がスムーズに届きにくくなり、脳の機能低下につながります。

そこで注目されているのが、アミロイドβをそもそも増やさせないようにする食事法「ケトフレックス12/3」。脳のダメージとなる要因を取り除く食事法で、脳の元気をサポートしていきましょう。

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野菜中心の献立とプチ断食で脳の元気をサポート

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「ケトフレックス12/3」は、野菜中心の献立と、12時間のプチ断食で脳の元気をサポートする食事法です。ケトは「ケトン体」、フレックスは「緩やかな菜食主義」、12/3は時間をあらわしています。

ブレインケアクリニック名誉院長・今野先生によると、ケトン体はブドウ糖と同じく脳のエネルギー源になる物質なのだとか。

「アルツハイマー病になると、脳のエネルギー源であるブドウ糖をうまく取り込めなくなり、脳が慢性的なエネルギー不足になります。そのブドウ糖の代わりとなるのがケトン体。体内にケトン体をたくさん作りだせば、脳のエネルギー不足が解消できます。また、ケトン体自体に炎症を抑える作用や神経を保護する作用など、認知症を予防する様々な効果があることがわかっています」(今野先生)

ケトン体はアルツハイマー病の脳でもエネルギーとして利用できる物質。そこで、食事の工夫によって体内のケトン体を増やし、エネルギー源として活用できる状態にもっていこうというのが「ケトフレックス12/3」食事法です。

脳のダメージを減らしつつエネルギー不足も補えれば、脳の活性化が見込めます。認知症が気になる世代はもちろんのこと、まだ若い50~60代からこの食事法を取り入れていけば、若々しい脳を保つのに役立ちそうです!