無垢材フローリングの魅力とは?種類や特徴、注意点を解説

無垢材のフローリングは、木のぬくもりが感じられる素材として人気です。ほかのフローリング材にはない魅力があり、種類も豊富でそれぞれ異なる特徴があります。

この記事では、無垢材のフローリングの魅力、種類や特徴、選び方や注意点について解説します。併せてお手入れ方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

無垢材フローリングとは?

無垢材フローリングとは、自然のままの丸太を切り出した木を、1枚の板に加工した床材のことです。フローリングのほかにも、テーブルや棚、家具などにも活用されています。

まずは、無垢材フローリングの基本的な部分について押さえておきましょう。

 

無垢材フローリングの魅力

無垢材フローリングにはさまざまな魅力があり、人気のある素材です。そんな無垢材の魅力について、具体的に見ていきます。

 

木のぬくもりが感じられる

無垢材フローリングの魅力は、木のぬくもりが感じられることです。自然の木目は美しく、癒やし効果もあります。木目模様には、すっきりとした印象のまっすぐな平行模様と、力強い曲線が連なる模様とがあり、どちらも自然独自の美しさと風合いを楽しめるでしょう。

 

調湿作用で快適に過ごせる

無垢材には調湿作用があります。調湿作用とは、部屋の湿度が高いときは空気中の水分を吸収し、空気が乾燥して湿度が低いときは自ら水分を放出することで、適度な湿度に調節する働きのことです。

木が建材として加工されたあとも、しっかり生きている証拠だといえます。無垢材の調湿作用により室内の多湿や乾燥を防ぐことで、快適性を保てるのです。

 

経年劣化で味わいが増す

無垢材は年月を重ねることで、自然素材ならではの風合いが出ます。真新しいものは木の香りや木目を楽しむことができ、経年したものは違った色艶が出て、深みが増すでしょう。

家族とともに歴史を刻みながら、フローリングの味わいの変化を楽しめるのも魅力です。

 

冬場でも冷えない

無垢材は冬場でも冷えを感じさせません。無垢材は多くの空気を含んでおり、その空気が断熱材のような役割を果たすため、冷気が伝わりにくく、冷えを防ぐことができるのです。

冷たい空気は下にいくため、フローリングは冷えやすい素材が多い印象ですが、無垢材フローリングは冬場に多い床のひんやり感を軽減してくれます。

 

無垢材フローリングの種類と特徴

無垢材フローリングにもさまざまな種類があり、それぞれ違う特徴があります。無垢材フローリングの種類と特徴をそれぞれご紹介するので、チェックしてみてください。

 

スギ(杉)の無垢材

杉の無垢材は、日本の建築木材で非常に一般的な樹種になります。柔らかくて弾力性に優れており、踏み心地や足裏の感触が良く、木の香りが強いのが特徴です。

保温性や耐久性があり、湿気にも強い性質を持っています。中心部は赤褐色、周辺は白色や淡黄色で、暖かみのある素材です。

 

ヒノキ(檜)の無垢材

ヒノキは、表面は柔らか材質ですが、強度は強く加工のしやすさが特徴です。明るい色味や美しい光沢をしており、特有の芳香があります。

ヒノキといえば「ヒノキ風呂」が思い浮かぶ方も多いかもしれません。柱や浴槽に使用されるくらい水や湿気に強い樹種です。ヒノキの香りには、リラックス効果があり、害虫が嫌う成分も含まれています。

 

アカシアの無垢材

アカシアは、1枚1枚の床板の色合いの不均一さが特徴です。アカシアの丸太は中心付近が濃く暗い色味で、外側は明るめの色合いになっています。

切り出した床板をフローリングとして敷き詰めると、アカシアならではの色合いのコントラストが楽しめるでしょう。材質は硬く耐久性があり、屋外の建材として多く使われます。

 

パイン(松)の無垢材

パインは針葉樹の代表的な樹種で柔らかく、全体的に白っぽくナチュラルで暖かみがあるのが魅力です。大ぶりな木目や節に力強さを感じさせます。北欧のインテリアとも相性が良く、素朴で居心地の良い雰囲気を演出してくれるでしょう。

 

オーク(楢・なら)の無垢材

オークは昔から船舶やウィスキーの樽にも使用されている素材で、耐久性と耐水性を備えた樹種です。フローリングに適した素材で、価格もほかの無垢材と比べて比較的安価で入手できます。落ち着いた木目で、シックな雰囲気を演出してくれます。

 

ウォルナット(クルミ)の無垢材

ウォルナットは、北米原産の広葉樹で世界的にも人気のある高級材です。非常に硬くて傷がつきにくく、耐久性が高いのが特徴です。落ち着きのある色合い、木目が美しく重厚感があることから、床材以外にも、テーブルなどの高級家具や楽器といった需要もあります。クラシカルなインテリアに適した樹種です。

 

チークの無垢材

チークは、ウォルナットやマホガニーと並ぶ「世界三大銘木」の一つです。天然の油分を含むため、水気に強く腐食や虫害からの耐久に優れており、艶っぽい風合いから高級感を感じさせます。経年とともに、赤褐色の木目が濃い飴色に変化するのも魅力的です。見た目の美しさから、リゾートホテルやブランドショップなど高級感のある内装材として広く採用されています。

 

バーチ(樺・カバ)の無垢材

バーチは、樺(カバ)とも呼ばれ、ナチュラルな風合いで筋が少なく控えめで落ち着いた木目が特徴です。程よい光沢感があり、やさしく上品な印象を与えます。経年による劣化が少なく、適度な硬さがあり、価格的にも手頃でフローリングにも取り入れやすいため、人気がある床材です。

 

合板フローリングとの違い

無垢材フローリングと合板フローリングとの違いは、木質感などの見た目、サイズ、価格帯などです。無垢材フローリングは天然木を切り出して製造されたもので、使用する木によって色や硬さ、模様などに違いが見られます。厚さは15㎜が主流です。

一方で、合板フローリング材は複数の薄い木板を接着剤で貼り合わせて、「ツキ板」と呼ばれる薄い天然木の板を表面に貼り合わせて製造されたものをいいます。断面はいくつも層が重なった模様になっており、厚さは12㎜が主流ですが、ツキ板に何の木を使うかで雰囲気が変わるのが特徴です。

合板フローリングは、無垢材フローリングに比べて安価で入手できます。

 

無垢材の選び方のポイント

無垢材にも多くの種類があるため、どれが良いのか迷ってしまう方もいるでしょう。そんな場合に役立つ選ぶときのポイントをご紹介します。

・価格:筋や色ムラが少ないと価格も上がる。針葉樹のほうが安価な傾向
・デザイン:産地により色味や筋の出方が違う。部屋のテイストに合わせて選べる
・部屋の用途:リビングなどには明るい色味、寝室には落ち着いた色味にする

上記のポイントを加味したうえで、家のテイストやインテリアに合わせて選んでみてください。

 

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無垢材のフローリングの注意点

無垢材は自然のままの木材であるため、次のような注意点も考慮したうえで、自分の家に合ったフローリング素材を選ぶことが大切です。

 

膨張と収縮を起こす

無垢材は調湿作用により、水分を吸収・放出し、膨張と収縮を繰り返すため、フローリングに反りや隙間が生じる場合があります。建築後の不具合をなくすためにも、あらかじめ含水率の低い無垢材を選ぶことが大切です。無垢材の含水率を安定させるために、実際施工する部屋にしばらく置いておくとよいでしょう。

 

傷がつきやすい

天然木である無垢材は、傷やシミなどの汚れがつきやすいのがデメリットです。特にスギやパインなどの柔らかい無垢材は、ものを落として凹んだり、犬や猫の爪痕もつきやすかったりするため、注意が必要になります。

無垢材の水分により膨張する性質を利用し、凹みに水分を与えて復元させることが可能です。また、全体を薄く削り直す施工をすれば、新品同様のフローリングにすることもできます。

 

水に弱く変形することがある

無垢材は大量の水に弱いのもデメリットです。水分を含むことで膨張し、反りが起こり、形状が変形してしまうことがあります。濡れたままにしておくとシミや菌が繁殖する原因になるため、すぐに拭き取って対応しましょう。

無垢材を施工で使用する場合、変形を最小限に抑える方法があるので、あらかじめハウスメーカーや住宅会社に対策や情報を聞いておくとよいでしょう。

 

複合フローリングよりも費用がかかる

無垢材は一枚板で使用するため、施工する際に利用できる量に限りがあります。そのため、無垢材の価格は合板フローリングよりも高く設定されているのが一般的です。

また天然木を扱える職人が少なく、人件費が高くなる傾向があります。無垢材のフローリングを選択する場合は、コストも考慮してよく検討しましょう。