会いたい人にはすぐに会いたいし、思いついたことはすぐに実行していきたい

冬の穏やかな日差しを受けて、ゆったりと柔らかくほほえむ原田知世さん。1年の締めくくりを前に感じているのは、「日々を大切に過ごしたい」という思い。

「元気に毎日を楽しめる時間って意外とあっという間に減ってしまいます。だから、大切なのは先のことよりも “今”。 “また今度”ではなくて、会いたい人にはすぐに会いたいし、思いついたことはすぐに実行していきたいです」

限られた時間の中で、自分の心を豊かにしてくれるものは何か。それを考えるきっかけのひとつとなったのが、実話をもとに作られた映画『35年目のラブレター』です。

戦時中に生まれ、読み書きができずに育った男性が、長年寄り添ってくれた妻にラブレターを書こうと、60代で夜間中学へ通い始める……という物語で、主人公の保を笑福亭鶴瓶さん、彼を支え続けた妻の皎子を原田さんが演じます。

「ふたりがお互いを大切に思い、一緒にいることで何倍もの力になる……。とても尊いものを見せてもらった気がします。実際の皎子さんはずっと目をそらさずに保さんを見つめてきたと思うので、私もその視点を大事にしたくて、撮影中は鶴瓶さんのことを側で見つめていました」

何歳になっても、積み重ねることで夢は叶えられるのだと、大人世代に勇気を与えてくれるのも本作の魅力。

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自分の体と対話することは大事

原田さん自身が、最近学んでいることは?

「簡単な筋トレとストレッチを教わって、朝や夜に取り入れています。続けていると体が変わってくるのがわかるし、少し休むとすぐもとに戻ってしまうんですよね。小さな変化ですが、自分の体と対話することは大事だと実感しています」

そして、原田さんにとって最も重要な学びは、やはり歌に関すること。

「数年前からボイストレーニングへ通っていて、レコーディングのときも喉の使い方を研究したり、考えたり。もちろん仕事ではあるんですけど、どこか趣味のような気持ちで取り組んでいます」

そうしたトライアルの成果が発揮されているのが、11月にリリースしたミニアルバム『カリン』。透明感のなかにも日だまりのような温かさが感じられる6曲が収録されています。

「発声で意識したのは、低音をしっかり出すこと。強く歌うのではなく、できるだけリラックスした状態で安定した低音を出すようにしました。私にとっては難しい曲が多くて、アレンジは信頼できる方々におまかせし、歌うことに集中しています」