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●夏が旬といわれる穴子。実は炭火焼きなら冬が絶品! 関西で穴子が美味しい姫路の行列店『炭火あなご やま義』の“あなごわっぱめし”を味わってきた。

 炭火でかば焼きにしてごはんにのせて、タレを掛けて食べる丼メニューといえば、「鰻!」と答えたくなるかと思いますが、忘れてならないのが穴子。

 鰻と比べると淡白な味わいという印象を持つ穴子は、夏場が旬というイメージが強め。しかし穴子には旬が2度あるという情報をゲット。冬場の穴子は脂がのっていてコクがあるとのことで、姫路駅前の商店街にある穴子専門店『炭火あなご やま義』に冬の穴子を食べに行ってきました。

冬の穴子が美味しいワケとは?


駅前商店街に炭火のいい香りを放っているやま義

 穴子の旬といえば初夏で、土用の丑の日に食べる鰻と並んで人気の食材となっています。梅雨穴子ともよばれる初夏時期の穴子は脂が少なくアッサリとした味わいが特徴。天ぷらで食べるのが美味しいとされています。

 一方で、一般的に魚の旬は産卵に備えてエサをたっぷり食べ、体に脂を蓄える時期と言われていて、春から夏にかけてが穴子の産卵時期になっています。

 冬場の穴子は春の産卵に向けて栄養を蓄え、コッテリとした味わいになっているのが特徴。そのため、焼いて美味しいのは秋から冬の穴子と言われているのです。関西で穴子というと、姫路の穴子ご飯が大定番となっています。

 世界遺産・姫路城の最寄り駅でもあるJR姫路駅を下り、商店街の中を北東に歩くこと数分。お昼には行列をなす人気店『炭火あなご やま義』へ訪れました。

 炭火で醤油の焦げる香りが漂う店内で、いわゆる穴子丼を食べようかと思いつつメニューを確認すると、色んな穴子料理が一度に食べられるわっぱめしを発見。こちらを注文したいと思います。

まさに穴子三昧!『やま義』のあなごわっぱめし


「あなごわっぱ(特上)」3200円

「あなごわっぱ(特上)」は楕円形の曲げわっぱに穴子がぎっしり。焼き穴子、穴子の蒸し焼き、穴子の佃煮と3種類の穴子料理がのっている贅沢なメニューとなっています。


この肉厚が冬の穴子の真骨頂

 定番の焼き穴子はずっしり肉厚。食べてみるとガッシリムッチリとした弾力で、栄養を蓄えている感じがします。今まで穴子の中で最高の食べ応えかも!

 しっかり焼き目がつき、タレがからんだ焼き穴子は、ジューシーでクリスピー。上品、繊細といった穴子のイメージが一変するパワフルさでごはんも進みます。


ツーンと刺激的なワサビとの相性もピッタリ

 写真中央の蒸し煮は穴子を焼いた後に蒸した、一手間かけたメニュー。フワッとジューシーですが、とろけるような煮穴子ではなく、しっかりと食感も残っています。


まさに三者三様な穴子の魅力はそれぞれどれも絶品

 もう1品が、穴子の佃煮。穴子が甘辛く煮込まれた佃煮で、トロッとした食感に生姜や山椒も効いていて、かば焼きや蒸し焼きとはまた違った味わいを楽しめました。

 丼や寿司の穴子といえば焼き派と蒸し派で分かれることもあると思います。『やま義』では基本、あなごめしは蒸し煮で、焼き穴子は定食か追加メニュー。しかし「あなごわっぱ」はやきから佃煮まで、色々な食べ方がバランスよく詰まっているので、「いろいろ食べたい」と迷う人にイチオシですよ。


こんな一品が食べられるのも穴子専門店ならでは [食楽web]

 付け合わせには、穴子の南蛮漬けも。サッパリ酸っぱい穴子の南蛮漬けは初めて食べましたが、甘辛い穴子料理との対比が美味しく、箸休めにピッタリでした。

『やま義』ではテイクアウト用にお弁当の販売もあるので、姫路城散策に持っていくのもオススメ。夏場のサッパリとした穴子もいいですが、冬場の肉厚でジューシーな穴子もぜひ食べてみて下さい!

(撮影・文◎けいたろう)

●SHOP INFO

店名:炭焼あなご やま義
住:兵庫県姫路市駅前町301
TEL:050-5600-6121
営:11:00~20:00(L.O.19:30)
休:無休

●著者プロフィール
けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています