「セクシー女優ら35人が香港で逮捕」元セクシー女優が暴露する“海外出稼ぎの闇”

 元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半で引退を決意し、ライターへ転向。現在は鳥越アズーリFM「たかなし亜妖のモザイクストリート」で冠番組を持つなど、メディア出演も積極的に行っている。

◆海外出稼ぎスポットでセクシー女優などが逮捕

 先日、香港でセクシー女優ら35人の日本人が逮捕された。原因は「売春に関与」なんて書かれているけど、要するに最近ウワサの海外出稼ぎがお国にバレたということだ。

 香港やマカオは鉄板エリアの一つで、出稼ぎがメジャー化する以前からこの手の界隈では有名だった。昔はアメリカや韓国へ飛ぶ女性は少なく、「出稼ぎと言えばココ」みたいな感じだったのである。

 海外出稼ぎ勢にとって、もっとも身近なところで警察沙汰が起きれば、震撼が走るのは当然のことだろう。ニュースを見て驚く人も多く、渡航を控えていた女性が急遽キャンセルを申し出たという話も聞いた。

 あくまで筆者個人の意見に過ぎないが、海外出稼ぎの定番である土地に目をつけられると「来るところまで来た」ような気がする。ここ最近、他国の摘発や逮捕も相次いだが、回りくどさが否めなかったからだ。

 香港での一斉逮捕は「なぜ、もっともホットなスポットに突っ込んでいかないのだろう」と疑問に思っていた矢先のことなので、あまりのタイミングの良さにはゾッとしてしまう。

 前々から香港やマカオ周辺は夜遊びができる場所として知られ、決してマイナーな地域ではない。そこが遂に明るみになったのだから、いよいよ本格的にマズイ問題として扱われるようになったのだろう。

◆「自分は大丈夫」と甘く考えている女性が多数

 働きに行く日本人が全て悪いといった話ではないけれど、労働を希望する人口が増えているのは違法な商売を助長させるのと同じだ。“加担”と言ってしまえば、もうそれまでの話でしかない。

 この手の商売の根絶は難しく、仮に店を潰したとしても、ほとぼりが覚めた頃に形態を変えて復活するのがオチ。イタチごっこ状態はいつまでも続くけれど、一度目をつけられたら何もかもが昔と同じままではなくなるかもしれない。

 海外出稼ぎに行くほとんどの人が「自分は大丈夫」と思ってしまうが、甘く考えていれば今度こそ痛い目に遭うかもしれない。テッパンと呼ばれる地域にまでガサが入るという現実を、出稼ぎ希望者はもっと深刻に捉えるべきである。

◆今後は海外出稼ぎへ行く女の子は減るのか


 摘発案件が起きると、一時的に出稼ぎ人口は減る。当たり前の話だが、誰もが逮捕されたくはないからだ。恐らく、直近で働きに行くか否かで迷っているほとんどの“初心者”は踏ん切りがつかず、渡航を諦めるに違いない。

 しかし、すでに渡航歴があり、尚且つ向こうで規格外の金額を稼いだ「玄人」は、問題が起きたからといって出稼ぎをやめるわけがない。海外ドリームを手にしたい女性たちは明日は我が身と理解していながらも、あちこちの地域へ飛ぶ。危機管理能力が低いと、「香港で摘発があったのなら、別のエリアに働きに行けばいいか」くらいの感覚だから、事件を他人事のように思う人も多いのだ。

 今回の影響で多少は労働人口が減るだろうけど、時間が経つとすっかり元通りかもしれない。斡旋業者も必死だから様々な店やエリアを提案するし、お金が欲しい女性はいつの時代もいっぱいいるので、よほど大きなトラブルが起きない限り、労働者が激減することはないだろう。

 余談だが、セクシー女優を専門に扱うプロダクションも海外出稼ぎに関してはちょっと困っていたりする。在籍女優がガサによって逮捕されたら困るし、トラブルに巻き込まれてもプロダクション側はどうもしてあげられない。彼女たちが自ら望んでエージェントと連絡を取り、海外渡航を決めたのなら、マネージャーたちは安否を祈る以外何もできないからだ。

◆表に出てこないような事件に巻き込まれる人も…

 海外出稼ぎの深刻化は進み、今や多くの国が無視できないものとして捉えている。今の時代、出稼ぎを希望する人は完全なる個人の意思のため、間違っても「売り飛ばし」ではない。みんな意識はそれなりにはっきりしていて、さらなる目標を果たすべく海を渡るのだから、ある意味たくましいと言えようか……。

 しかしながら、闇の商売に加担しているのは紛れもない事実だ。実際、表にも出ないような事件に巻き込まれ、行方をくらます者さえいる。今一度個人の考えを改め、危機管理能力を高めなければ摘発程度では済まない問題がさらに起きるだろう。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】

元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。