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●外食しながらダイエットもアンチエイジングも叶えたい!そんなわがままな願いを叶えるべく、ボディメイクのプロ・石本哲郎さんが外食における「若返りやせ飯」の選び方を伝授。今回は、ひとりでも家族でも手軽に楽しめるファミレス「ガスト」です。

ライス少なめでカロリーをカット

 ダイエットにおいて大切なのは、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、糖質(Carbohydrate)からなる三大栄養素のPFCバランス。しかし「ガスト」では、このPFCバランスが公表されていません。公表しているのはカロリーと塩分のみなので、与えられた数少ない情報から、いかにカロリーを抑えつつ、たんぱく質量を確保したメニューに仕上げていくかが、基本戦略となります。

 ファミレスのセットメニューで突出しがちな栄養素は、脂質と糖質。このうち糖質はライスの量を調節することで、簡単に抑えることができます。普通サイズだと264kcalのところ、少なめにすると181kcal。83kcalも浮くため、そのぶんおかずをそこそこ自由に選べます。男性なら普通サイズにしてもいいけど、その代わりにおかずは慎重に選びましょう!

たんぱく質ちょい足しに使えるメニュー3選

 1食あたりの必要なたんぱく質量は、最低でも女性で20g、男性で30g。ライスを少なめにして浮いたカロリーをたんぱく質摂取に充てると、PFCバランスも整いやすくなります。

 一押しは「納豆」。たんぱく質はもちろん、食物繊維も摂れ、腸内環境改善に効果的な発酵食品でもある納豆が最強です。


若返りやせの救世主。困ったときの「納豆」

 75kcalなので、ごはんを少なめにして追加するのに最適! 普通のライスを食べるのと、少なめライスに納豆を追加するのとでは、まったく違ってきます。こういう小さな積み重ねが、10年後20年後の姿に響いてくるもの。「あの時ガストで納豆に変えておけば……」と将来後悔しないためにも、ごはん少なめで納豆追加が激押し!

 納豆が苦手なら、ダイエッターの大好きな蒸し鶏を使った「蒸し鶏とケールのサラダ」を。もしくは「海老とアボカドのサラダ」もおすすめ。海老は、高たんぱく・低脂質なサラダチキンの下位互換的な存在で、優秀なたんぱく源。そしてアボカドに多く含まれるカリウムには、塩分を排出してむくみを予防する働きもあります。外食ではどうしても塩分過多になりがちなので、カリウムをしっかり摂っておくことは結構重要なポイント。さらに、ビタミンEや良質な脂質も含まれています。ただし、Sサイズだと量は少ないため、過信は禁物ですよ。


たんぱく質やカリウムが摂れる「海老とアボカドのサラダ」

 ちなみに、これらのサラダにはLサイズもあるため、ガチでダイエットしているタイミングで無理矢理食べに連れて行かれた……なんてときは、Lサイズのサラダにパン1個とかでも良いかも。ドレッシングは、一番カロリーが低そうな「玉ねぎ醤油ドレッシング」を選ぶのが無難です。

肉料理はチキンを選ぶべし!

「ガスト」の肉メニューを大きくカテゴライズすると、ハンバーグ、ステーキ、チキンの3種。この中で肉メニューのベストはやっぱり、チキンです。ハンバーグは脂質の多いひき肉が使われているし、ステーキも意外と脂が多い印象。ただ、ステーキはたんぱく質がしっかり摂れるため、ちゃんと筋肉をつけたいと筋トレしている人なら、「カットステーキ」も選択肢のひとつになります。一方、ハンバーグはどうあがいてもダメ。チーズが上にも中にも入った「チーズONチーズINハンバーグ」なんて、それだけで1000kcalもいっちゃってます。

 ということで、「ガスト」で肉を食べるなら、チキンを選びましょう! おすすめは「ジューシー若鶏グリル 大葉おろし」(683kcal、タンパク質40g)と、「ジューシー若鶏グリル ガーリックソース」(695kcal、タンパク質42.4g)。カロリーは若干高めですが、皮を剥がせば100kcalは減らせます。「鶏さん、ごめんなさい!」とバリっと剥がしちゃいましょう。

 基本的に若返りやせメニューとして強い鶏肉でも、唯一気をつけたいメニューが「レモンチキンソテー」です。


「レモンチキンソテー バジルガーリックソース」

 レモン、チキン、ソテーという言葉を見るといかにも良さげ。しかも管理栄養士さん考案の低糖質メニューなので飛びつきたくなるかもしれません。でも低糖質を全面に押し出したメニューは、意外と脂質が多いもの。というのも、糖質を低くするだけだと味的に満足できないため、良い味に仕上げるには油に頼らざるを得ないからです。糖質を抑える代わりに、バターやマヨネーズは使いたい放題なんてこともよくあるので、低糖質を謳ったメニューには要注意です。

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カキフライの亜鉛でアンチエイジングを狙う


カキフライにはアンチエイジングに役立つ亜鉛が豊富。小さなおかずシリーズより

 アンチエイジングにおすすめなのが「カキフライ」。牡蠣は亜鉛の含有量でぶっちぎりのNO.1食材です。亜鉛は300種以上の酵素の働きに関与する必須ミネラル。たんぱく質の合成や抗酸化作用の活性化にも関わっているため、アンチエイジングには欠かせません。男女ともに不足しがちなため、健康のためにもアンチエイジングのためにも摂っておきたい栄養素と言えます。

 ただ、カキフライはたんぱく質が少なくて塩分が高め。そのうえ揚げ物なので、ダイエット的には正直、あまりおすすめできません。しかし、それを補って余りあるほど、亜鉛の破壊力が大きいため総合得点も底上げされ、ガストのメニューでは上位にランクイン! アンチエイジングを狙うなら、カキフライで亜鉛の恩恵を受けるのも一案です。

若返りやせ的「お好み和膳」の選び方

 おかずが選べる「お好み和膳」。メインを「彩野菜の黒酢から揚げ」「若鶏のスパイス焼き」「焼鮭」「ミニチーズINハンバーグ」の4つから選ぶのですが、若返りやせ的に選んでいいのはどれでしょう?

 正解は、チキンか鮭の2択。

 さすがにハンバーグを選ぶ人はいないと思いますが、野菜を選んでしまう人は結構いるのでは? 彩り野菜や黒酢もヘルシーな印象を与えますが、なんと965kcalもあるんです。ハンバーグが967kcalなんでほぼ同じ! おそらく野菜が素揚げされてるため、油をめちゃ吸ってるせいかと思われます。ちなみに焼鮭は710kcalで、チキンは828kcalです。


お好み和膳でももっとも低カロリーの「焼鮭」

 お好み和膳のイチオシは、もっとも低カロリーの「焼鮭」。鮭には良質な脂質、たんぱく質、抗酸化作用の強いアスタキサンチン、ビタミンDなどが豊富に含まれています。ビタミンDは歯や骨を強くするほか、免疫機能を調節する働きも。アンチエイジングのために摂っておきたい栄養素のひとつです。いっぽう筋肉をつけたいなど、ボディメイクを重視するなら、チキンがおすすめです。

 お好み和膳では、白ごはんを「ミニしらす丼」「ミニねぎとろ丼」「ミニたれカツ丼」に変更できますが、選んでいいのはどれでしょう?

 正解は、「ミニしらす丼」のみ!

 カツ丼がNGなのは言うまでもありませんが、ねぎとろ丼は悪くなさそうに思えますよね。確かに、まぐろを叩いただけの本来の“ねぎとろ”であればいいんですが、ファミレスなどで安く出してる“ねぎとろ”は、植物油脂などが添加されているもの。そのため、良質な脂質を摂っているつもりが、逆に悪い脂質を摂ってしまうことになるのです。安過ぎる“ねぎとろ”は、疑ってかかったほうが賢明。信用していいのは上質なお寿司屋で出てくるものと心得ましょう。


安い“ねぎとろ”は植物油脂が使われている可能性大!

 しらすは、たんぱく質、カルシウム、ビタミンDが豊富と、かなり優秀な食材。ただ量が少ないため、そこまで影響を与えるほどではないかも。しらす丼に変えてもいいけど、白ごはんのままでもOKなレベルです。