「全身ユニクロ」で北欧の街に溶け込む

おしゃれしたい気持ちよりも、面倒くささのほうが勝つ日は、もう「周りから浮かなければそれでいいや」くらいの適当さで、ババッと洋服を選びます。そのときのポイントは「地味色、シンプル、動きやすい」です。

フィンランドの「Marimekko」や、デンマークの「GANNI」などのブランドの影響から、北欧ファッションには大胆でカラフルなイメージがありました。確かに、パーティーや夏日の街中であればそういう服もよく見かけるのですが、日常生活で北欧の人々が着ているのはもっぱら黒、茶など、無難な色。冒険心よりも、実用性重視。

日本よりも流行の移り変わりが激しくなく、こだわりの「マイ定番スタイル」優先で、同じものを長く着ている人が多い印象です。

それから、仕事に着て行くのは、リラックス気味なビジネスカジュアル。スーツ姿の人は日本と比べると、かなり少ない様子。ヒールは日本から持ってきたものの、一度も履いていないかもしれません。特にピンヒールは石畳に挟まり、自転車も漕げないということで「非・実用的」であり、あまり好まれません。足元はだいたいスニーカーやフラットシューズです。

ほかには、冬場は外の気温(ダウン必須)と屋内の気温(半袖でOK)の差が大きいので、重ね着上手になる必要があります。つまり言ってしまえば、北欧の街へ無難に溶け込むには、毎日全身ユニクロスタイルが、あらゆる面で非常にちょうどいいと私は気づいてしまいました。

日暮いんこ氏『北欧、暮らしてみたらこんな感じでした』(大和出版)より抜粋
通勤は自転車レース

日暮いんこ
クリエイター