国際連合(the United Nations = UN)の調査によると、2022年の世界電子政府ランキング1位はデンマーク。次いで2位がフィンランド、3位韓国、4位ニュージーランド、5位スウェーデンと続く。日本は、マイナポイントの付与キャンペーンなど、政府の積極的な利用促進の成果もあって、マイナンバーカードの普及率が人口の約7割に達するなど、行政のデジタル化は進みつつあるものの、本調査の結果は14位にとどまる。行政デジタル化率世界ナンバーワンのデンマークの暮らしとは? 本記事では、日暮いんこ氏の著書『北欧、暮らしてみたらこんな感じでした』(大和出版)より一部抜粋・再編集し、同氏の実体験を通した北欧暮らしの実態について紹介します。
北欧暮らしの実態
世界トップクラス…デジタル化が進む行政
外出時はいつもお財布に入っている黄色いカード、これは日本でいうマイナンバーカードで、通称・イエローカードです。
「行政のデジタル化率、世界ナンバーワン!」を誇るデンマーク。あらゆる個人データはこのイエローカードに記されている個人番号にギッチリと紐づいており、身分証明書としてはもちろん、銀行口座の情報、病院の通院履歴に処方箋情報まで入っているほか、図書館での本の貸し出しカードとしても機能します。
ちなみに、この間私はバスでチェックインをするのをうっかり忘れてしまい、このカードをスキャンされ、口座から罰金が自動的に引き落とされました。
【改札機がない】
デンマークの公共交通機関で最初不思議だったのが、改札機がないこと。乗車する際には「Rejsekort(ライゼコート)」というIC カード(日本でいうSuica)を、駅や車内にあるチェックイン機にかざして乗車します。降車時にチェックアウト機にかざして料金が引き落とされる仕組みです。日本のバスに乗る際の仕組みで、鉄道にも乗れるという感じでしょうか。駅の改札内・改札外という区切りがないのが、最初はなんとなく不思議な感じでした。
地下深くまで穴が続く…無限に入るゴミ箱
海外の友人が日本に来て、ボソッと言ってくる不満ナンバーワンは、街中にゴミ箱が少ないということです(私調べ)。
そういうだけあって、こちらは街中にも公園にもゴミ箱がたくさん。家の外にもほぼ必ず共用の、24時間出せるゴミ捨て場が。しかもこのゴミ箱、小さく見えて実は地下深くまで穴が空いており、ほぼ無限にゴミが入る優れモノ! 帰国した際に恋しくなるのはゴミ箱かもしれません。
通勤は自転車レース
2021年時点のコペンハーゲン市のデータによると、市内では毎日約1.45百万キロメートル、地球約36周分の距離が自転車で移動されているそう!
ラッシュアワーである、朝8時ごろと夕方4時ごろには、自転車レーン(車道とは別に自転車専用の道や信号、専用の橋まで完備!)はライダーたちでパンパンに埋め尽くされます。しかも走行スピードが異様に速いため、その様子はもはや自転車レースのようです。
日暮いんこ
クリエイター