IMD「世界競争力年鑑」2023年版によると、国際競争力ランキングにてデンマークは競争力総合順位でトップを獲得しました。一方で、日本は35位と過去最低を更新。双方の働き方の違いとは? 本記事では、日暮いんこ氏の著書『北欧、暮らしてみたらこんな感じでした』(大和出版)より一部抜粋・再編集し、北欧暮らしの実態を解説します。
自転車大国、デンマークの通勤スタイル
いざ、自転車レース参戦!かと思いきや、万年体力不足の私は車で出勤です(そうして悪化し続ける体力不足)。最近ついにマイカーをゲットしました! デンマークでは自動車税が猛烈に高く、例えば同じ車を日本で買うのと比べると、倍くらいの価格になってしまいます。ゆえに、小さくてレトロなマニュアル車が街中に多く、私が手に入れたのもそんな車です。
免許をとって以来、オートマ車にしか乗っていなかったので、いざ乗りはじめると一苦労。エンストのトラウマに怯えながら、慣れない左ハンドル右車線、似ているけど少し違う標識、環状交差点の連続、速めの法定速度!(高速道路では時速130kmまで!)。目的地(車で5分の図書館)に着いたころには目がギンギンに血走り、脚はガクガク震えていました。
ちなみに、デンマークで使える国際免許証は、日本で、日本の免許証をもとに申請手続きをすれば、追加検査はなく、即日すぐに受け取ることができました。
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デンマーク人の働き方
残業しないことが普通
デンマークの人々の働き方を見ていつも感心するのが、そのメリハリの上手さです。終業時間がはっきりと決まっており、効率的に働き、定時に帰宅するのが「普通」。日本では、残業したり、仕事を家に持ち帰ったりするケースが「普通」であることが珍しくありません。
デンマークの一般的な会社では、多くの人が16時ごろには帰宅し、家族と過ごすことや趣味に時間を充てています。常に残業している人がいれば、それは「普通ではない」状況。問題視され、改善が求められます。
そうして1人ひとりがより充実したプライベートな時間を過ごし、その結果として仕事においても高いパフォーマンスを発揮するという好循環が生まれているように感じます。
就業時間の絶対厳守が仕事効率をあげる
私自身、日本でのOL時代、そして実は今でも、フリーランスの仕事のときは終業時間を特に決めずに、つい「この仕事のキリのいいところまで」なんて曖昧な目標で、ダラダラと長時間労働をしてしまうことがよくあります。そうすると、仕事と休憩の境目が曖昧な時間も増えていきます。懲りずに長時間労働をしてしまうのは、仕事がノッているときであれば、それでも頑張れたという満足感があり、楽しかったりするからだと思います。
ただ、そのメリハリのない仕事習慣が問題なのは、仕事で行き詰まった途端に、集中も息抜きもどちらもできなくなってしまうことかもしれません。仕事は進まないし、ストレスも溜まり続けるという悪循環にはまってしまいます。
終業時間を「決めて、守る」だけ! とわかっていても難しいですよね。そんな中、日本に住む私の友達が、子供が産まれてから保育園のお迎え時間という絶対厳守の時間制限ができたことで、効率が格段に上がり、驚いたと言っていました。
それを聞いて、自分の力の及ばない締め切りがあるといいのかと気がつき、定時に終わらないと間に合わない時間にジムや病院、映画を予約してみたところ、本気で焦ることで集中でき、効果てきめんでした。「我こそは意志力薄弱なり!」という方におすすめします(ただ、習慣化する前にアポイント用件がネタ切れするともとに戻ります)。
日暮いんこ
クリエイター