閉経する50歳前後を境に、患者数が約3倍に増える「睡眠時無呼吸症候群」。寝ているのに日中眠気がつらい、いびきをかくなど、症状をまずはチェックしてみましょう。治療法や対策、いびきを防ぐ簡単な「舌トレーニング」のやり方を解説します。
教えてくれた人
RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック 院長 白濱龍太郎さん
しらはま・りゅうたろう 2002年、筑波大学医学群医学類卒業。東京医科歯科大学大学院統合呼吸器病学修了。東京共済病院、東京医科歯科大学附属病院を経て、13年にクリニックを開設。日本睡眠学会専門医。『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム刊)をはじめ著書多数。
(広告の後にも続きます)
女性も要注意!睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
眠っている間に、大きないびきや無呼吸を繰り返す病気「睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)」。日本で約300万人ほどの患者がいると推定されています。
周りの人が耳をふさぎたくなるほどの睡眠中の大きないびきは、SASのサイン。いびきの音に強弱があったり、途中ピタッと音がしなくなったと思ったら呼吸も止まり、しばらくして再びいびきが始まるという状態が見られます。勘違いしてはいけないのは、いびきをかいているからといって熟睡できているとは限らないということです。
そして睡眠時無呼吸症候群というと、太った男性に多いイメージがあるかもしれません。しかし「女性でも閉経する50歳前後を境に、患者数が約3倍に増えます。また、痩せ型の人でもなる可能性があります」と睡眠専門の医師、白濱龍太郎さんは話します。つまり閉経後にいびきをかくようになったという方は、この病気の疑いがあるということ。
女性ホルモンのプロゲステロンが呼吸中枢を刺激して、気道を広げる働きをしていますが、閉経すると女性ホルモンの分泌が激減するため、SASが起こりやすくなるのです。また、加齢によって筋肉が弱まることも関係しているといわれています。