感染症予防の最大の砦「正しい手の洗い方」をおさらい!基本の感染症対策と免疫力強化法も

冬の感染症対策について専門医に聞く企画の2回目です。感染症を予防するには毎日の対策が第一!“気にし過ぎ”が逆効果になることもあるそう。そこで今回は、どの感染症にも共通する基本の対策を聞きました。

教えてくれた人:矢野邦夫(やの・くにお)さん

1955(昭和30)年、愛知県生まれ。医学博士。感染症専門医。浜松市感染症対策調整監、浜松医療センター感染症管理特別顧問。81年名古屋大学医学部卒業。名古屋大学病院や、米国フレッドハッチンソンがん研究所での勤務を経て、浜松医科大学臨床教授、三重県立看護大学客員教授を歴任。近著は『ねころんで読めるウィズコロナ時代の感染対策』(メディカ出版刊)。

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対策1:正しい手洗い・消毒で接触感染を防ぐ!

ウイルス性感染症の主な感染経路として、接触感染があります。ウイルスに触れたり、ウイルスがついた手で目や鼻の粘膜を触ることで感染します。「予防には“手をしっかり洗うこと”が基本にして最大の対策です」と話すのは、感染症専門医で、感染対策のスペシャリストでもある矢野邦夫さん。

ドアノブやつり革など、多くの人が触る場所に触れた後は、必ず手を洗うこと。厚生労働省によれば、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐだけで、ウイルスの数が1万分の1まで減らせるといいます。

「粘膜にわずかなウイルスが付着しただけでは、粘液に阻まれてほぼ感染には至りません。手が洗えない状況ならアルコール手指消毒液を使ってこまめにウイルスを除去しましょう」(矢野さん)    

手洗いは“最大の砦”!洗い残しなく念入りに

画像参考=政府インターネットテレビ

手洗いは接触感染を防ぐ“最大の砦(とりで)”ですが、何気なく洗うだけでは洗い残しが出ます。上のイラストを参考に、特に赤い部分を意識して念入りに洗いましょう。前提として、爪は短く切り、指輪などは外すようにしましょう。

濡れた手は“ウイルスホイホイ”状態! 清潔な布などで必ず拭く

手をきれいに洗っても、濡れたまま放置するとかえってウイルスを吸着してしまいます。外出先ならペーパータオルを使うか、清潔なハンカチなどでしっかり水気を拭き取りましょう。

消毒は、よく触れるところを1日1回でOK

手さえきちんと洗えていれば、環境の消毒はさほど神経質にならなくてOK。自宅なら、リモコンや電気のスイッチなど家族がよく触れるところを、1日1回を目安にアルコール消毒を。