六本木の元クラブママが語る「人をイラつかせないための“4つの会話テクニック”」

 日系航空会社CAから六本木のクラブママを経て作家となった蒼井凜花が、実際に体験した、または見聞きしたエピソードをご紹介。今回は「人をイラつかせない会話テクニック」についてお届けする。

◆①お願いは「疑問文」にしてみる

 仕事中だけでなく、日常会話においても、会話中に相手の言葉に対してイラッとしてしまうことがあると思います。逆に自分が気づかないうちに、相手をイラッとさせてしまっていることもあるかもしれません。

 今回は、CAたちが実践している「人をイラつかせない会話テクニック」を4つご紹介します。今回紹介することを少し意識するだけで、コミュニケーション力の向上に繋がることでしょう。

 まず1つ目は、「相手へのお願いは疑問文にしてみる」ということです。CAたちはお客さまに頼みごとをする時「○○して下さい」と言わず、「○○していただけませんか?」と疑問形式にしています。

 例えばフライトでの離着陸時には、お客さまに使用中のテーブルやひじ掛け、リクライニングをお戻しいただいています。その際、「○○をお戻し下さい」と言うよりも、「まもなく離陸(着陸)ですので、おそれいりますが、○○をお戻しいただけますか?」と疑問形式で伝えれば、威圧感なくソフトな印象になるのです。このように、疑問形で問いかけることによって、お客さまも不快な思いをすることはないでしょう。

 この伝え方は好印象を与えるうえ、こちらの要望をスムーズに受け入れてもらえる利点もあるので、ビジネス面や人間関係にも取り入れてみてください。

◆②「口角上げ」と「アイコンタクト」を意識して話す

 言葉の使い方だけでなく、表情もコミュニケーションにおいて大切です。笑顔は相手との心の距離を縮め、警戒心を取り除くための“最強の武器”ともいえます。そして、相手をまっすぐ見つめる視線は「自信」や「信頼」に繋がるでしょう。

 アイコンタクトができず、伏し目がちだと「このCAは自信がなさそう。仕事はちゃんとできるのだろうか」とお客さまに不安を抱かせてしまう恐れがあります。そのため、CAの訓練では徹底して「口角上げ」と「アイコンタクト」を教えこまれるのです。

 また、口角を上げて話すことで声のトーンが明るくなり、より一層好印象になります。他人からイライラをぶつけられがちだと思う人は、アイコンタクトと笑顔を心掛けてみてはいかがでしょうか。

◆③怒っている人とは人のいない場所で話す


 フライトにトラブルはつきものですが、その一つがモンスター並みのクレーム客の存在。怒り心頭のクレーマーがいた場合、ギャレーに来てもらって不満内容を吐き出してもらいます。というのも、キャビンでは他の乗客に囲まれている手前、クレーマーは引っ込みがつかなくなり、ますます怒りが増していくことが珍しくないのです。

 そのため、他のお客さまの目につかない場所に呼び出し、不満をしっかり吐き出してもらったうえで、CA側も歩み寄るようにしています。乗客の勘違いだった場合は、「ご理解いただいて何よりです。ありがとうございます」とお礼をし、こちらに落ち度があった場合、誠心誠意、お詫びをします。どんな時もお客さまに恥をかかせないよう、配慮することは重要です。

 ビジネスシーンだけでなく、日常生活のコミュニケーションにおいても、相手の不満を聞く時や部下を注意する場合、人目につかない場所で行うことが大切です。

◆④感謝とフォローの言葉を忘れない

 こちら側の要望を聞いていただければ、必ず「ありがとうございます」という感謝の言葉は必須です。「礼を言うのは当たり前だろう」と思う人もいるでしょうが、これがビジネス間なら当然でも、意外にも家族だったり仲のいい友人だった場合、忘れていることが多々あります。

 人間関係を円滑にするためには、必ず声に出して感謝を伝えることが大切です。場合によっては「あなたのおかげで助かりました」「あなたに頼んで、本当に良かったです。私もお役に立てることがあれば、お声がけ下さい」など、フォローの言葉を加えることも、より好印象に繋がるでしょう。 

 当たり前のことと思っても、そのことが当たり前にできているとは限りません。今回紹介した4つのことを意識することで、相手を不快にさせることが減り、きっと人間関係が上手くいくようになるでしょう。

文/蒼井凜花

【蒼井凜花】

元CAの作家。日系CA、オスカープロモーション所属のモデル、六本木のクラブママを経て、2010年に作家デビュー。TVやラジオ、YouTubeでも活動中。