高収入で見た目がいいのはもちろん、幼稚園から名門私立に通い、親子で会社経営という“サラブレッド男子”。
確かに彼らはモテるし、遊ぶ女性には困っていない。
しかし、真剣に相手を探そうと思うと話は別だ。
お金目当てで近づいてくる子や、一見可愛いが本性がわからない子もいる。
選択肢も多い中、彼らは最終的にどんな女性を選ぶのだろうか。
これは、青山学院初等部出身、年収4,000万の港区男子の恋愛ストーリーである。
「年収4,000万男子の恋愛事情」一挙に全話おさらい!
第1話:「LINE交換しませんか?」麻布十番の鮨店で思わぬ出会いが…
元太とは青山学院幼稚園時代から大学まで一緒で、親同士も同じ青学初等部出身で仲が良いから、本当の兄弟のような仲だ。
俺の父親は、千駄ヶ谷でアパレルやジュエリーの企画や製造販売の会社を経営していて、俺も同じビルでOEM/ODMの会社を経営して5年になる。
元太は広告代理店の営業。俺と違って雇われている側だが、給料は悪くないし、ボーナスも結構な額なはずだ。でも、昔からかなりのケチ。だからずっとバカ舌。
― ハンバーグと唐揚げがご馳走な元太よ、もうここに連れてくるのはやめとくな。
そう思った次の瞬間だった。
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第2話:高学歴で高収入のバリキャリ29歳女。美人なのに食事会で男に「物足りない」と思われるワケ
俺と元太が、秋山に出会ったのは2週間前。推定50歳の飲食店経営者をしている彼から、なぜか食事会に誘われたのだ。
親友の元太もお節介に「ちゃんとした彼女を作れ」とうるさい。
だから、黙らせるためにも行くことにした…というのは建前で、本当は有り難く思っている。
最近は男だけで遊んでばかりだったし、女の子とお酒を飲む手段は、店に行くか、金を払って来てもらうか、の2パターンだったからだ。
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第3話:初デートで意外なお願いをする31歳女。なんとしても、ハイスペ男子を射止めたい彼女の作戦とは
「香澄ちゃんみたいな、かわいい子に食べられて死ぬなら本望だよ」
「え〜もう〜〜。そういう意味じゃないのにぃ」
そう言ったあとで頰を膨らませる香澄。こういう仕草に胸打たれるほど、自分は若くない。
― いや、かわいいことはかわいいんだけど…。
彼女の年齢が31歳だということを鑑みると、つい冷静になってしまう自分がいる。食事も終盤に差しかかる頃、香澄が俺に聞いた。
「この間の食事会の中で、正直、誰がタイプでした?」
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第4話:「まだ、会って2回目なのに…」29歳女の家に呼ばれた男が、お願いされた意外なこと
エントランス止まりではあるものの、食事会で出会ったばかりの男に家バレしても平気なのだろうか。ミナは、警戒心がなさすぎるのか、もしくは俺のことを信用してくれているのか…。
― いや、後者はないな。
調子に乗りそうになったので、俺は思考を停止させた。
「翔馬さん!お待たせしました」
エレベーターの方からミナの声がした。
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第5話:東大卒で商社勤務の29歳女が酔った勢いで、大胆な行動に。深夜1時の麻布十番で男と…
週末の港区、夜はこれからという感じなのだろうが、俺はそこそこ疲れている。
なぜなら、六本木で香澄とジビエフレンチデートしたあと、偶然ミナに会い、余分に買いすぎたというプロテインを南麻布にある彼女のマンションで受け取り、その後、玲に呼び出され、歩いてここに来たからだ。
「ごめんごめん!LINE見てなくて」
俺は、形だけ謝罪をする。“遅い”ではなく、“来てくれたの?ありがとう”とでも言ってくれたら疲れも吹っ飛ぶのに、ちょっと残念な気持ちになる。
もちろん、そんなことは彼女には言わない。彼女はすでに酔っていて、まともに話を聞いてくれそうになかったから。
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第6話:彼の家に初めてお泊まりした29歳女。翌朝、男に言われた意外なセリフとは
「翔馬くん、ごめんね。本当に、なんと言ったらいいのか…」
― 玲、昨夜とはまるで別人なんだけど…。
俺は、顔を伏せながらモゴモゴと答える彼女にタオルを渡し、バスルームに案内する。
スマホを見ると、元太から不在着信と何通ものLINEが入っていた。正直に話すべきか、適当にあしらうべきか迷っていると、玲がバスルームから顔を出した。
「ねぇ、翔馬くん。昨日のこと…覚えてる?」
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第7話:「天然なのか、わざとなのか…」体を密着させスマホ内の写真を見せてくる31歳女に、男は…
「会社にはお弁当を持って行ってるし、予定がない日の夕飯は必ず自炊するようにしてて…」
俺にぴったりとくっついて、スマホ内の画像フォルダを見せてきた。どれどれと見てみると、そこには絶妙に微妙な手料理の数々が並んでいた。
天然なのか意図的なのかわからないが、男心をくすぐる何かを香澄は持っている。
「偉いよ。いい奥さんになりそうだね」
俺が褒めると、次は過去の恋愛について語り出した。
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第8話:「2人きりで旅行は微妙…」曖昧な関係の彼女に旅行に誘われたが、煮えきらない男は…
「翔馬くん!今から一緒に買い出しに行かない?」
「えっ、俺?」
「うん。もうタクシー呼んでるから」
玲は有無を言わせず俺の腕を掴み、そのまま玄関へ向かう。
― どうして俺と?
背中に突き刺さる香澄の視線に耐え、転びそうになりながらスニーカーを履き、外へ出た。
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第9話:麻布十番在住・29歳港区女子に「何の仕事してるの?」と尋ねたら、意外な返事が…
俺の予感は的中した。香澄は玲を褒めちぎった後で、ミナの職業をみんなの前で暴くつもりなのだろう。
香澄は、ミナが六本木で夜職をしていると思っている。秋山とミナがそういう店に入っていくところを目撃したからだ。
「私?」
「うん!仕事、何してるの?」
急に香澄に聞かれたミナは、驚いている。それもそうだろう。香澄の言葉は仲良くなりたいという優しいトーンで発せられたものじゃなかったから。
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第10話:ズルい男の常套句。「将来は約束できないけど…」と前置きして、女と付き合う彼の本心とは
8年付き合った元カノには他に好きな人ができて、振られてしまったようだが、それは元太にも原因があったと反省していて、二度と同じ間違いはしないと心に誓っていた。
「あ、玲ちゃんそろそろ着くみたいだから行くわ。えっと…いくらだったっけ」
「いいよ、払っておくから。待たせちゃ悪いからもう行けよ」
相変わらず財布を出さない元太を笑いながら見送ったあと、俺は2杯目のホットワインを飲み切ってから香澄に連絡をした。
『翔馬:週末会えない?』
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第11話:「お金があれば、誰でもいい」結婚に焦る31歳女の裏の顔を知った男は…
「彼女はベテランなんだよ」と秋山が教えてくれたとおり、ジャズのことがわからない俺でも、惚れ惚れしてしまう実力者だった。
3曲ほど歌っただろうか。女性が客に会釈すると拍手がおき、またピアノとサックスだけの演奏に戻った。
「ブルーノートは何回か行ったことあるんですけど、ジャズ聴きながらの酒、やっぱりいいですね」
俺が月並みの感想を述べると、秋山はなぜかニヤリと笑った。
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第12話:「しんどい…」32歳男が幻滅した、付き合いたての彼女からのLINEとは
俺は、返信をせずにスマホを伏せた。香澄にうんざりしている気持ちもあるが、苛立ちの矛先は自分自身へ向かっていた。
次に恋人ができたら、本当に大事にしたいと思っていた。それなのに可愛いからという理由で、香澄のような子を選んだ俺が愚かすぎる。
うなだれていると、「翔馬くん…ごめん」と秋山になぜか謝られてしまった。
「いや、秋山さんが悪いわけじゃないんです。自分で自分にうんざりしてるんです」
少し酔っていたこともあり、俺は、ふたりを前に本音を語り始めた。
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第13話:「最後にお願いがあるの」別れ話の途中、彼を寝室に連れて行った女の意図とは…
― もっと駄々をこねられると思ったのに、なんだか拍子抜けしたな。
そう思いながら帰るタイミングを伺っていると、香澄に腕を掴まれた。
「翔馬くん、最後にお願い聞いてくれる?思い出作りっていうか…あ、それで私の軽井沢でのことを許してくれたら一番なんだけど…そうじゃなくてもいいから」
香澄はモゴモゴ言いながら、俺をベッドへ誘導した。
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