不満解消や夢・目標達成のための手段として転職するはずが、転職活動を進めているうちに「応募先企業の選考に通過すること」自体が目的になってしまうことがあります。しかし、それでは何のための転職活動かわからなくなってしまいます。株式会社経営者JPの代表取締役・CEOの井上和幸氏は、そうした事態を避けるためには転職時に自分の「好き・嫌い」を明確したほうがいいと語ります。その理由を見ていきましょう。
採用選考を通過することが目的になっていませんか?
転職活動を進めていると、時に手段と目的が入れ替わってしまうようなことが起きます。 中でも最も多く起きるのが、「応募先企業の選考に通過すること」自体が目的となってしまうこと。
何らかの不満解消や夢・目標達成のために転職しようとしているのに、いざ選考応募を開始すると、その選考に受かることが目的化してしまい、応募先企業に意見を寄せてみたり、迎合してみたり……。それでストレスを溜めては、なんのための新天地探しかわからなくなってしまいますよね。
そうした<無理>はいっさい止めて、「好き・嫌い」軸で転職活動してみてはどうでしょうか。そこにはさまざまなメリットがあります。
(広告の後にも続きます)
あなた自身の「好き・嫌い」は明確か?
そもそも、望ましい新天地選びとは、あなたの求める「これからの働き方、仕事上での成果の発揮のしどころ」と合致した場を選択する行為です。そのためには、選ぶ側のあなた自身に、明確な軸・フィルターがなければ選びようがありません。だからこそ、自分の「好き・嫌い」を改めてしっかり見つめ直してみましょう。
この連載コラムの読者であるエグゼクティブの皆さんは、経営や事業、組織を担う人であり、自身の価値基準がはっきりしている方々のはずです。
企業側から見れば、判断軸、主義主張がはっきりしている人が、我が社に合致するのか否かをしっかり判断できる候補者です。それがない方は、「よくわからない」人だという判断になる。よくわからない人を採用することは、基本的にはありません。
自身の価値基準、判断軸、主義主張がはっきりしている人は、応募先企業から「このうえなく好かれる」か、「非常に嫌われる」か、いずれかになります。
嫌われたくない……そんな気持ちがもしあったら、少なくとも転職活動中はきっぱり捨て去りましょう。冒頭に申し上げた通り、応募した企業に受かることは転職活動の目的ではありません。選考を経て、あなたに合った企業と出合うことが目的です。
ですから、実際にお会いしてみて合わない企業からは「嫌われて」OK、あなたが「このうえなく好かれる」企業と出合えばよいのです。