ノリウツギの育て方のポイント

用土


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【地植え】

植え付けの約2週間前に直径・深さ約50cmの穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで穴に戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

市販の花木用培養土を利用すると手軽です。

水やり


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水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏は、気温が上がっている昼間に与えると、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

植え付けから2年目くらいまでは、表土が乾いたら適宜水やりをしましょう。その後しっかり根付いたら、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期や真夏は水を欲しがるので、水切れしないように注意しましょう。

肥料


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【地植え】

植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。

越年後は毎年2月頃に緩効性肥料を株の周囲にばら撒き、スコップなどで軽く表土を耕し、土に馴染ませます。その後は、株に勢いがないようであれば、液肥を施して様子を見守りましょう。

【鉢植え】

植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。

越年後は毎年3月頃に緩効性肥料を株の周囲にばら撒き、スコップなどで軽く表土を耕し、土に馴染ませます。その後は、株に勢いがないようであれば、液肥を施して様子を見守りましょう。

注意する病害虫


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【病気】

ノリウツギはほとんど病気の心配はありませんが、まれに褐斑病やうどんこ病を発症することがあります。

褐斑病は、かびによる伝染性の病気です。主に葉に褐色またはくすんだ茶色の斑点が現れ、下葉から枯れ上がっていきます。雨が多い時期に発生しやすいのが特徴です。発症した葉を見つけたら、すぐに切り取って処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。適用のある薬剤を葉の表と裏に散布して、防除します。

うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。

【害虫】

ノリウツギに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。

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ノリウツギの詳しい育て方

苗の選び方

ノリウツギは落葉樹なので、植え付け適期の晩秋~冬の苗は、葉が落ちて地上部が枝のみになっている場合があります。こうした苗も、翌春には新芽が吹いて生育するので心配ありません。

植え付け・植え替え


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ノリウツギの植え付け・植え替えの適期は11月〜翌年3月です。ただし、植え付け適期以外にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗木の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。

地植えの場合は植えたままにしてよく、根付いて順調に生育していれば植え替える必要はありません。

【鉢植え】

ノリウツギを鉢で栽培する場合は、入手した苗木よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根を軽く崩し、新しい培養土を使って植え直しましょう。

剪定・切り戻し


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ノリウツギの剪定適期は休眠期の12月〜翌年2月。開花後から芽吹き前までに行いますが、装飾花の色の変化を楽しんでからで十分間に合います。

枝を切る際は、花が咲いた枝は軽く切り戻し、咲かなかった枝はそのまま残すのが基本です。また、ノリウツギは幹が直立しますが、ひこばえが発生しやすく株立ち状になりやすい特徴があります。株立ちとは地際から細めの枝を放射状に立ち上げる樹形のことです。自然に樹形が整うのですが、放任していると次々に新しい枝が伸びて込み合い、風通しが悪くなってしまいます。そこで、「すかし剪定」をして枝をすっきりさせてやるとよいでしょう。古い枝や細くて弱々しい枝、生育の邪魔になっている枝を選び、枝の途中で切らずに枝の分岐部まで遡って切り取ります。株立ちになって込み合っている部分があれば、いくつかの枝を地際で切り取ってもかまいません。

増やし方


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ノリウツギは、挿し木と株分けで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法について解説します。

【挿し木】

挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根し、生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ノリウツギは挿し木で増やすことができます。

ノリウツギの挿し木の適期は、3〜4月か、6月下旬〜7月上旬です。その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

【株分け】

ノリウツギの株分けの適期は11月〜翌年3月です。寒冷地の場合は3〜4月が適しています。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら「株分け」をして増やせます。株を掘り上げて地際から出ている枝を4〜5本ずつつけて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。

ノリウツギとアジサイの違い


左がアジサイ、右がノリウツギ。Pichchapatr Kamkampol、Flower_Garden/Shutterstock.com

ノリウツギはアジサイ科の植物ですが、アジサイとはいくつか違いがあります。

1. ノリウツギは円錐形の花房で大きめで、花姿はカシワバアジサイに似ています。一方アジサイは、てまり状に花をつけ、個々の花は小ぶりです。

2. 開花時期はノリウツギが7~9月であるのに対し、アジサイは6~7月と、ノリウツギのほうが遅く開花します。

3. アジサイは土壌酸度で花色が変わります。一方、ノリウツギにも花色が変わる品種はあるものの、土壌酸度が影響しているわけではありません。

4. ノリウツギは新しく伸びた枝の先に花を咲かせる新枝咲きで、花後から翌年2月頃までに剪定しても開花します。しかし、アジサイは10月頃に花芽をつけるため、剪定は花後すぐのタイミングで行う必要があります。

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ノリウツギで夏の庭を彩ろう


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白い花で知られるノリウツギですが、品種改良によってピンクや赤、ライムグリーンなどの花色も出回るようになり、近年では花木の中でもホットアイテムとして注目されています。日本原産のため放任してもよく育ち、ほとんど管理の手間がかからずに豪華な咲き姿が楽しめるので、ぜひ庭に植えてみてはいかがでしょうか。

Credit

文 / 3and garden



スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。