「大晦日に掃除をすると縁起が悪いって本当?」一度は耳にしたことがあるそんな噂の真相を徹底解説!そもそも年末の大掃除の意味は?29日や30日はOK?いつまでにすべきか、年末年始・元旦にやってはいけないことなど気になる疑問を詳しく解説します。
そもそも年末に大掃除をする意味・理由って?
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日本では年末の定番行事となっている大掃除。今まで自然と大掃除をしてきたものの、「なぜ大掃除をするのか?」の意味や由来を知っている人は少ないかもしれません。
大掃除は、日本の伝統的な年末行事である「煤払い(すすはらい)」が由来とされています。お正月を迎えるにあたり家の内外を掃除する行事で、平安時代には行われていました。「煤掃き」「煤納め」と呼ばれることもあります。
昔は部屋の中で囲炉裏や火鉢などを使って生活していたため、室内に煤が溜まることが多くありました。そこで、溜まった家の煤を年末に払っていたのです。
煤払いは本来、単なる掃除ではなく、歳神様(高い山から降りてきて各家庭に新年の幸せをもたらすとされている神様)をお迎えするための準備であり、宗教的な意味合いのある行事でした。地域によっては煤払いを「正月迎え」や「ことはじめ」、「ええことはじめ」、「まつならし」などと呼ぶこともあります。
現在では宗教的な意味合いは薄れたものの、「大掃除」として、新年をきれいな状態で迎えるための準備を行う習慣として根付いたと考えられています。
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大晦日に掃除をするのは縁起が悪いって本当?
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大晦日に掃除をするのは、縁起が悪いといわれています。また大晦日だけでなく、29日や30日も避けた方がいいという話もあります。
一体なぜこのようにいわれるようになったのか、その理由について見ていきましょう。
大晦日は歳神様をお迎えする日
1年の最後の日である大晦日は、歳神様をお迎えする日です。そのため、大晦日になって慌てて掃除をするのは失礼に当たるとされています。
また、大晦日に大掃除をするということはつまり、「門松や鏡餅、しめ飾りといったお正月飾りを大晦日に飾る」ということでもあります。これは「一夜飾り」といわれ、神様に失礼に当たるとされているためNGです。
家中をきれいに掃除する大掃除は、考えている以上に時間がかかるものです。大晦日から大掃除を始めるのでは、すべての掃除が終わらない可能性もあります。
バタバタ慌ただしい状態では歳神様をゆっくりお迎えできないため、早めに掃除を済ませてゆったりと歳神様を迎えられるようにするといいでしょう。
晦日は旧暦では大晦日にあたり掃除はNG
大晦日(31日)の1日前の晦日(30日)は、昔の暦では31日の大晦日に当たる日です。そのため、晦日に掃除をしても「一夜飾り」になり、縁起が悪いといわれています。
12月29日は9=「苦」で縁起が悪い
30日と31日の他に、12月29日も縁起が悪いといわれている日です。
12月29日は忌み数である9(=「苦」)が付いており、さらに29日なので「二重苦」となり、縁起が悪いとされます。
お正月の掃除は福の神様を掃き出してしまう!?
12月29日〜31日だけでなく、お正月の掃除もよくないといわれています。
お正月に掃除をすると、せっかく来てくれた歳神様を掃き出してしまうことになり、「福が逃げてしまう」「縁起が悪い」と考えられているためです。
また、三が日には「水の神様」や「火の神様」にお休みしてもらうという考え方があります。掃除では水を使うため、水の神様がお休みできなくなってしまいます。
この他にも、日本では妻のことを「かみさん」といいますが、「普段のねぎらいも込めて妻を神様のように扱う=家事は控える」ということで掃除は避けるという話もあります。
そもそも年末に大掃除をしない人が増えている?
レタスクラブが行った大掃除アンケートによれば、年末にまとめて大掃除をすると回答した家庭は全体の約1/4程度でした。一方、年末に限らず時期を分散すると回答した人は約6割にもなります。
分散して掃除する人は、11月の週末から少しずつ掃除を始めたり、水が冷たくなる前の時期に水を使う掃除を済ませたりしているそうです。
年末年始はイベントごとも多く、また夫婦共働き家庭も増えてきました。近年は仕事、旅行、カウントダウンイベントなど年の瀬の過ごし方が多様化したことで、年末に大仕事を残しておくよりも、少しずつコツコツ掃除してきれいにしていこうという人が増えたのかもしれません。