新札発行でタンス預金にはどんな影響が?考えられるリスクは


タンス預金
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では旧紙幣のまま今後もタンス預金を続けているとどんな影響があるのでしょうか。例えば、いずれ旧紙幣の価値が無くなるということも考えられるのでしょうか?

財務省のホームページによりますと、1885年に銀行として初めて銀行券(紙幣)を発行してから、現在までに56種類の銀行券が発行されています。そのうち現在発行している種類のほか、既に発行されなくなった種類を含めて現時点で25種類の銀行券が有効であるということです。

残りの31種類は法令に基づく特別な措置により通用力を失っています。特別な措置は以下、過去3回発動されています。

(1)関東大震災後の焼失兌換券の整理(1927年)
(2)終戦直後のインフレ進行を阻止するためのいわゆる新札切り替え
(冒頭で紹介しています)
(3)1円未満の小額通貨の整理(1953年)

つまり、このような特別な事情がない限り、今後も旧紙幣の価値は保たれることになります。ただし、旧紙幣では不便を感じることが今後増える可能性があります。例えば数年後には自動販売機や券売機が現在の新札のみが対応となっている可能性があります。また既に発行されていない紙幣は、日本銀行の本店や支店でしか両替できないものもあります。このように紙幣の流通という点から見ると、早めに新札に両替しておく方が良さそうです。
参考:日本銀行公式HP

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タンス預金のメリットは少ない?デメリットは

タンス預金は金利が付かないため、資産運用の観点から見るとメリットはありません。また、タンス預金をしている間にどんどん物価が上昇すると、実質お金の価値が下落しているということになります。また銀行に預けている場合と比べ、盗難や被災のリスクもあります。

このようにデメリットは少なくありません。あえてメリットを挙げるとしたならば、いつでもすぐに使える現金であるという点や、金融機関が破綻した場合のリスクが低いという点です。万が一、預金していた銀行が倒産すると保護の対象は元本1000万円とその利息までとなっています。数千万円や数億円といったお金を1つの金融機関に預けていると大部分が金融機関の破綻によって戻ってこなくなるというリスクがありますが、タンス預金ではそのようなリスクはありません。ただし、複数の金融機関に分散して預金することで破綻リスクには対処できます。

よって、タンス預金は「このお金は誰にも知られたくない、把握されたくない」という場合に限ればメリットがあるといえます。新札・旧札に限らず、あまり大きな資産はタンス預金にしておかない方が良いでしょう。