退職金の行き先は
慌てる私に、「お父さんって本当に鈍感。だから出世レースからも外されたのよ」と娘。続けて妻も「本当に察しが悪い年寄りね。もう用済みだから離婚するのよ!」と言うのです。おまけに、養育費として私の退職金1000万円は妻と娘がもらうと豪語。
家族のために何十年も働いてきた私にとっては耐え難い仕打ちでした。たしかに父親・夫として至らない部分はあったかもしれないと思いながらも、2人を許せない気持ちでいっぱいに。
争う気力も失せた私は、言われるがまま1000万円の退職金を手放し、妻と離婚。むしろこれですっぱり縁を切り、計画している第3の人生を謳歌しようと前向きに考えることにしたのです。
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順風満帆な第3の人生
離婚から数カ月後、会社員時代よりも忙しい日々を過ごしていた私の元に、元妻から1本の電話がかかってきました。
彼女は電話口で、「あなたとやり直したい、娘も後悔している。家族で一緒にいたい」と懇願。しかし、私にはその魂胆がわかっていました。
というのも退職後、なんと私はCDデビューを果たしたのです。SNSで流した動画はプチバズリ。退職後の私の年金は大したことがないからと離れていった元妻子はそれを見て、慌てて連絡を取ってきたようです。