“朝から晩まで子供と一緒”から脱却するためにも働く
―お仕事は離婚のタイミングで始められたんですか。
そうですね。大学を出た後に新卒で入った会社でも人事の仕事をしていたんですが、結婚したあとに一度辞めていて。離婚を機に再び働き始めました。
働くのは自分の精神的にもいいのかなと思っています。働かなければ、子どもたちと朝から晩まで一緒です。どうしても親子3人で近い関係になるので、物理的に離れるというか、接触時間を短くするほうがうまくいくのかなとちょっと思っていて。
子どもが小さい頃も、働いている間は保育士さんたちに見てもらえたのが良かったですね。今でも、家にいるといつの間にか3人がみんなソファに集まってきて一緒に座ってたりするんですよ。毎日暑いのに。だから、家から出る時間をつくったほうがいいなって。
―大人にとっても、子どもにとっても、それぞれの時間をつくることは大事そうですね。
小学生になったので、公園でも児童館でも自分で行けます。上の子は自転車に乗れるようにもなりました。今年のお正月に練習したんですけど、大好きになって毎日乗り回しています。自転車は元夫が買いました。
上の子が特に児童館が大好きで、休みの日に行ったりしています。体育室で遊べたり、図書室で本を読んだりできます。予約すれば、クッキングとか、街の探検隊とか、イベントにも参加できて。工作系とか、映画を観たりとか。
児童館は交通費や材料費以外はすべて無料なので助かっています。食費だったり物の値段がどんどん上がっていて、切り詰めるとしたらやっぱり遊びに行くお金からになってしまいますね。給料は全然上がっていないですし。
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離婚した元夫との「面会交流」は子どもにとって重要な体験
―お子さんたちと父親との関係は続いていますか。
はい。月に一度の面会交流があります。いつもファミレスなんですけど、希望すれば焼肉にもお寿司にも行けます。費用は元夫が出します。私が外食に連れていくのは無理なので、子どもにとっては重要な体験ですよね。
子どもたちは父親が好きだし、父親であるっていうのは変わりがないので。どこかに連れていってもらったり、何かを買ってもらうのも好きですし。だから、私が関わりたくないからといって勝手に関係を切ってしまうのはね、違うのかなと。
お金のことも、「母にお金がない」という事実だけを知ってると子どもたちも不安になるじゃないですか。「父にはある」とわかっていれば、何かあったときに助けてもらえるという気持ちになるかなって。
ほしいものがあるときも、二人はあまり我慢せずにとりあえず言いますね。「だめだと思うんだけどさ」みたいな前置きはありつつ。
―父親との関係で子どもたちができている体験というのもあるわけですね。
例えば、上の子は小学校に上がるときに私がディズニーランドに連れていきました。やっぱり1回行ったことがあるのとないのとでは全然違うと思って、経験させてあげたくて。
下の子は今度の面会交流でディズニーランドに行くことになったので良かったと思っています。そういう意味では元夫に感謝です。ディズニーランドのチケットも昔に比べてだいぶ高くなりましたよね。1万円を超えてるときもあって。
キャンプとかバーベキューとか、アウトドア系もさせてあげたいんですけど、色々と物を準備しないといけなかったり、車がないと不便とか、自分ではハードルが高くてできていないです。
インタビュイーのプライバシーに配慮して名前は仮名とし、一部の情報に加工を施している。
今井 悠介
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
代表理事