『梅と星』店長の佐々木明結さん

●浅草で話題のごはん処『梅と星』。伝統的な日本のごはんとごはんのお供を御神籤を引いて味わう名物「おともみくじ定食」とは? 新年のごはん処にもぜひ!

 炊き立てのごはんの湯気と香りは、何とも言えないごちそう。シンプルにお米のおいしさを引き出す炊き方は家庭ではなかなか難しいものですが、外食でも意外と出会う機会がなかったりします。

 そんな中、“おいしいごはん”が食べられるお店が浅草にあると聞き、さっそく伺ってきました。

「立ち喰い梅干し屋」の姉妹店「梅と星」


店頭には全国のおいしい梅干しが並ぶ

 全国のおいしい梅干しを1粒ずつ食べられ、食べ比べもできる梅干し専門店「立ち喰い梅干し屋」は、東京ソラマチに店舗を構える人気店。同じ会社が運営するのが、浅草の仲見世通りのすぐ隣にある『梅と星』です。

梅と星」は「梅干しと羽釜ごはんと海苔と納豆と塩昆布とおかかとたらこと明太子ととろろといくらといかの塩辛とたまり漬けと名物浮浮卵(ふわふわたまご)とお供たちの店」という、なが〜い別名(?)のあるごはん屋さん。


気さくなスタッフたちが美味しいごはんをアドバイス

「おいしい寄席」をテーマに、炊き立ての羽釜ごはんと全国から集めた梅干したち、そしてごはんがすすむ厳選したごはんのお供を頬張れるお店。店頭では「立ち喰い梅干し屋」と同じ16種類の梅干しがお出迎え。ごはんを食べに来たつもりが、ここで一旦足止めされてしまうほど魅力的なラインナップです。


梅干しはすべて酸味も塩味も味わいも異なる

 梅干しはそれぞれ特徴が異なり、オリジナルの味の指標が提示されていて、酸味や塩味など自分の好みの梅干しが見つけやすくなっています。見た目はもちろん、味わいの違いもわかりやすく、吟味したくなります。おしゃれな瓶入りの梅干しは、自分用はもちろん、ギフトや手土産にもぴったりです。

おみくじでメニューを決める!? 「おともくじ定食」が楽しくて絶品


カウンターだけの店内で、大きな羽釜が置かれている

 本来の目的、定食を食べにテーブルへ。カウンターの前の大きな羽釜で毎日ごはんを炊いており、その炊き立てを楽しむことができます。

 さっそくメニューを拝見。朝9時から営業しているので朝食メニューもありましたが、今回はお店の名物「おともみくじ定食」を選びました。


しゃもじを引いてメニューを決める

“くじ”というだけあって、食べるものをしゃもじのくじで決めるというもの。七福神の名前がついたメニューはそれぞれ異なる3種のごはんのお供が決まっていて、引いたしゃもじに描かれた七福神のメニューを味わうシステム。くじ引きで自分の食べるメニューが決まるというのがおもしろいですね。

 例えば、布袋様だと白菜胡麻キムチ/牛のしぐれ煮/しらす、大黒天様はちりめんおかか/すじこ/とろろ、といった具合。ラインナップを見ると、どれが当たってもいいと思えるほど、食べてみたくなるごはんのお供ばかり。何になるかワクワクしながら、しゃもじを引くと……弁財天! 財運のご利益までありそうなめでたさ。


弁財天のお供3種

 弁財天のごはんのお供は白いバター、たらこ、なめこのたまり炊の3種。定食にはすべて炊き立てごはんと豚汁、「浮浮卵」、梅干しが付いています。梅干しは店頭で販売している16種から好きなものを選べるので、購入したいものを先に試すのもいいですね。

 さらに、梅干しやごはんのお供は単品でもオーダーできるので、気になるもの、どうしても食べてみたいものがあったら追加して食べてみてください。

ふわふわ、もっちり、ピカピカの羽釜ごはん


炊き立てのごはんの味は格別。オリジナルブレンド米「たらふく」は店舗でも販売

 定食のごはんは羽釜で炊いたツヤツヤごはん。炊き立てならではの香りが漂っています。こちらのお米は北海道産ななつぼし、山形県産つや姫、和歌山県産熊野米の3種を合せたオリジナルのブレンド米。それぞれお米の形が違うので間に空気が入り、ふっくら炊き上がるのだそう。


「おともみくじ定食」1320円

 定食はまさに、日本の正しい食事といった感じ。具だくさんの豚汁に、昔ながらの酸っぱい味が楽しめる「杉田梅」や3種のお供を白いごはんと一緒に頬張る幸せたるや。日本人に生まれてよかったと思う瞬間ですね。


白いバターとたらこを一緒に食べるなんて贅沢!

 白いバターは人気のお供の一つ。ごはんにのせてお醤油をたらして溶かしながら味わうのも絶品ですが、たらこバターにして食べるのもおすすめ。なめこのたまり炊は程よい塩味で歯ごたえがよく、おつまみにしても良さそう。


自家製の煎り酒「よしなに、」を使用した「浮浮卵」

 オリジナルのおかず「浮浮卵」は、「浮浮煮」という江戸時代に実在した卵料理を現代風にアレンジしたもの。味付けには江戸時代に愛されていた調味料「煎り酒」を使っています。この煎り酒は昆布、梅干し、鰹節をお酒で炊き上げて作ったオリジナルで、お店の料理の味の指針になっているのだとか。卵焼きのようなスクランブルエッグのような、ふわふわ食感の卵でやさしい味わいです。


白いごはんに梅干しは最高のお供 [食楽web]

 梅干しを頬張れば、ごはん1膳もあっという間。ごはんはおかわりできるので、おなかに余裕があったらぜひもう一杯。さらに余裕があれば、お供を追加して味わってください。


食後には梅を使ったドリンク(アルコールもあり)もおすすめ

 日本のごはんのおいしさを再認識し、梅干しの奥深さも知ることができる『梅と星』。何より、“ごはんのお供”のごはんが進むこと! 

 ほかにも煎り酒を使った「煎り酒生姜焼き定食」(1430円)や、鶏肉を梅酢に漬け込んだ「梅酢の唐揚げ定食」(1430円)、「本日の焼魚定食」(1430円)などもあり、まだ食べていないごはんのお供とともに試してみたくなります。おいしいごはんが食べたくなったら、そしてごはんのお供を見つけたくなったら、ぜひ足を運んでみてください。

(撮影◎編集部、取材・文◎Ayako)

●SHOP INFO

店名:梅と星
住所:東京都台東区浅草2-2-4
営業時間:9:00~17:00(L.O.平日15:00、土日祝16:30)
定休日:月曜(祝日の場合翌日)
https://ume-hoshi.jp/