編集者の山村光春さんが考える、今こそ訪れたい”いい音楽喫茶”とは? 山村さんの考察とともに、15の喫茶店とその店を象徴する一枚を紹介。第6回目に登場するのは、東京・神保町『アディロンダックカフェ』。
『アディロンダックカフェ』
上質なジャズを、気負わずに楽しめる店。
約20年間アメリカで生活し、本場のジャズを見てきた滝沢理さんが営む、アットホームなジャズカフェ。帰国後はジャズのオリジナル盤を扱うレコード店を経営していた。この店で流しているレコードも、そんな滝沢さんの審美眼にかなった、録音状態がいいものが中心。ポスターやジャケットなど、ジャズにまつわるアイテムが並ぶカウンターも圧巻で、アメリカンダイナーを彷彿とさせる空間で頬張るハンバーガーのおいしさはひとしお。
『アディロンダックカフェ』を象徴する一枚『Pleasure Bent』Roland Alexander
リラックスした空気感が特徴の、ローランド・アレキサンダー初となるリーダー作。普段は天気や気分で聴く曲が決まっているという滝沢さんが、条件関係なくよく手に取る一枚。
SHOP DATA
アディロンダックカフェ
東京都千代田区神田神保町1−2−9 ウエルスビル4F 03−5577−6811 12:00~22:00 日祝休 アップライトのピアノがあり、火・水曜日はライヴ、土曜日はイベントを開催。
photo : Jun Nakagawa
andpremium.jp/column/music-cafe/music-cafe01/?v=1732262534
編集者・コピーライター 山村光春
雑誌『オリーブ』のライターを経て、広告や雑誌の編集・執筆を手がける。『眺めのいいカフェ』(アスペクト)、『おうちで作れる カフェのお菓子』(世界文化社)など著書多数。「やさしい編集室」「京都芸術大学」講師。東京と福岡の二拠点生活。
&Premium No. 133 Cafés & Music / カフェと音楽。
心地よい空間に身を置き、淹れたてのコーヒー片手に流れる音楽に耳を傾ける。ひそやかで静謐な音色、心を揺さぶる歌声や演奏、懐かしいナンバーとの再会もあれば、新しいメロディとの邂逅もある。カルチャーのあるカフェや喫茶店は、音楽との思いがけない出合いを手渡してくれるかけがえのない存在。今号では、良質な音を届け続ける名店オーナーの選曲遍歴や全国の話題店のアルバムリスト、カフェを愛する人々が出合った大切な一曲など、351枚を収録。家でくつろぐひとときに似合う音楽を探し出す楽しみも、この一冊から見つけてもらえたらと思います。Better Lifeには、おいしいコーヒーと、いい音楽が必要ですね。
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