偉人も愛した「リッツ・パリ(Ritz Paris)」で、新たなフランス伝統菓子を
1898年創業。ヴァンドーム広場に位置していて、ココ・シャネルやアーネスト・ヘミングウェイ、チャールズ・チャップリンなど、多くの俳優や作家に愛されたホテルです。
イギリスのアフタヌーンティー文化をフランスに持ち込み、ヨーロッパの貴族や上流階級が集う場所でアフタヌーンティーを提供し、パリでもアフタヌーンティー文化が広まりました。
「サロン・プルースト」は、作家マルセル・プルーストにちなんで名付けられたもの。重厚感のある木製の本棚やアンティーク調のインテリア、シャンデリアが織りなす贅沢な空間です。
リッツ・パリのヘッドシェフパティシエで、2019年に世界最高のレストランパティシエ賞に輝いたフランソワ・ペレ氏が手がけたスイーツは、フランスの伝統菓子を大胆かつ洗練されたものにアレンジされています。
スタンドには、チョコレート・フィナンシェやアーモンド・チュイール、サブレ、ピスタチオとアプリコットのブリオッシュなどが並びます。
フランソワ・ペレ氏のシグネチャースイーツといえばマドレーヌであり、もちろんアフタヌーンティーセットの中にも入っています。パッションフルーツのマドレーヌは、ふんわりとバターが香り、しっとりと口どけがよいのが印象的でした。
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リッツ・パリ(The Ritz Paris)
15, Place Vendome, 75001 Paris
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ヴェルサイユ宮殿の庭へつながる。「ル・グラン・コントロール(Le Grand Control)」のアフタヌーンティーで18世紀の世界へと
パリ郊外にあるヴェルサイユ宮殿の広大な敷地内にあり、1681年に建てられた歴史的建造物が、2021年6月にホテルとして開業。ホテル内のレストランはフレンチの巨匠アラン・デュカス氏が監修しています。
今回は、美しい調度品に囲まれたレストランのウェイティングルームでアフタヌーンティーをいただきました。
宮廷気分をさらに盛り上げてくれるのが、サービスの方たちの美しいユニフォーム。まるでマリー・アントワネットの時代へタイムスリップしたような時間を過ごせます。
スイーツは、フランボワーズのタルトやヘーゼルナッツ・プラリネのマドレーヌ、フロマージュ・ブランのタルトなど。
セイボリーも贅沢で、オマール海老とアボカドがサンドされたクロックムッシュやひと口サイズのシトラスサーモンやうずらの卵、セロリとトマトのコンフィなど、どれも繊細さの中にインパクトがある味わい。
こちらのホテルはテラスがヴェルサイユ宮殿の庭へと繋がっているので、アフタヌーンティー後は、そのまま庭園のお散歩を楽しむこともできます。
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ル・グラン・コントロール
(Le Grand Contrôle)
12 rue de l’Indépendance Américaine 78000 Versailles
今回ご紹介した4つのアフタヌーンティーは、どれも本場ならではの魅力が満載。ル・ムーリスはクラシックとモダンの融合が魅力。ペニンシュラパリは、アジアンテイストとフレンチエレガンスのバランスがお見事。リッツ・パリでは、宮殿のような建物内で優雅なティータイムを過ごすことができました。そしてヴェルサイユのル・グラン・コントロールでは、まるで18世紀にタイムスリップしたかのような感覚に。
パリオリンピックが終わり、少し静けさを取り戻したパリやヴェルサイユでのアフタヌーンティーは、それぞれの場所で異なる魅力とともに、その歴史や文化を改めて実感させてくれました。
PROFILE
フードジャーナリスト
岩谷貴美 Takami Iwaya
フードとビューティーのジャーナリスト。雑誌やweb、TV、ラジオなどで活躍するほか、フードコンテストの審査員や、ホテルやカフェのアフタヌーンティー・プロデュースも多数手掛ける。スイーツを1日に20~30品食べることも。Instagram : @takamiiwaya
文章・写真/Takami Iwaya(岩谷 貴美)