徳島ラーメンの本格派 『らーめん2の2』(美馬市)
「ラーメン」。席数は35席(カウンター、テーブル、座敷)
続いてご紹介するのは、2013年9月に美馬市にオープンした、『らーめん2の2』。ロケーションは、JR徳島線・穴吹駅から約1.3km。穴吹駅は、徳島線のほぼ真ん中に位置し、美馬市を代表する拠点駅。冒頭で述べたとおり、徳島県西部と南部は、東部と比べて実力店の数が相対的に少なめ。しかし『らーめん2の2』は、そんな西部エリアにおいて貴重な本格派「徳島ラーメン」が食べられる店舗の一つといえる。
同店が提供する麺メニューは、「ラーメン」、「肉入りラーメン」、「チャーシューメン」、「みそラーメン」など。「みそラーメン」も人気商品だが、初訪問時に頼んでほしいのはやはり、メニューリスト筆頭に君臨する「ラーメン」。
豚骨のコクと風味が過不足なく抽出された動物系出汁と、濃口醤油を用いたカエシを見事なバランス感覚で重ね合わせた豚骨醤油スープは、口内へと飛び込んだ刹那、甘辛いカエシのうま味が味蕾を心地良く刺激する、「茶系」徳島ラーメンのお手本のような味わい。
豚バラ肉にじんわり沁み込んだ下味と、カエシとの相性の良さも並大抵のものではなく、ひとすすりで、食べ手を魅了するだけの訴求力を持ち合わせている。「徳島ラーメン」に対して食べ手が求めるポイントを、的確にとらえ抜いた佳作。西部エリアに立ち寄る機会があれば、迷わず訪問いただいてOK。そう太鼓判を押せる優良店だ。
●SHOP INFO
店名:らーめん2の2
住:徳島県美馬市脇町拝原2531
TEL:0883-53-0367
営:11:00〜20:00(火曜のみ〜15:00)※スープ売切れで閉店の場合あり
休:月曜
※店舗前に駐車場あり
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南部エリアの人気店 『牟岐55ラーメン』(牟岐市)
『牟岐55ラーメン』の「牟岐ラーメン」
最後は、南部エリアからオススメの1軒を紹介する。それが2013年7月に牟岐町(むぎちょう)にオープンした、『牟岐55ラーメン』だ。
店舗の場所は、JR牟岐線・牟岐駅より徒歩7分ほど。牟岐町の国道55号線沿い。店名はこの国道に由来する。店主は、香川県を代表し、その名を全国へと轟かせる実力店『讃岐ラーメン はまんど』で修業を重ねた後、独立開業を遂げた経緯の持ち主(『はまんど』先代店主とはクラスメイトの間柄だそう)。
メニュー表。餃子や焼売、炒飯などサイドメニューも豊富。席数は24席(テーブル12席・小上がり2卓)
現在、同店が提供する麺メニューは、清湯スープをベースとした「牟岐ラーメン」、「中華そば」、「つけめん」と、白湯スープをベースとした「白湯そば」、「濃厚魚介そば」、「55つけめん」の計6種類。看板メニューは、メニューリストにその旨が明記されているとおり、屋号を冠した「牟岐ラーメン」だ。
煮干し・鯖・鯵・鰹など、多種多様な「海の幸」を丁寧に炊いたスープは、乾物の滋味が舌上で雄々しく伸び上がり、やがて、味蕾を通じて身体の全細胞へと沁みわたる、“瀬戸内”らしい、しみじみ(沁み滋味)系の味わい。スープ表層を浮遊する大量の背脂も、その上質な甘みが、スープのうま味を更に引き立たせる役割を全うする。
「牟岐ラーメン」[食楽web]
このスープに合わせるのは、存在感のある多加水平打ち太麺。快適なすすり心地と良好なのど越しに加え、寸分の過不足なくスープを持ち上げ口元へと運び込む優等生。夢中になって麺をすすり続けているうちに、いつの間にか丼が空っぽになっている。
徳島県、それも香川県から距離がある南部エリアで、『はまんど』のDNAを継承した四国最高レベルの1杯に舌鼓が打てる。そんな贅沢な体験を現実のものとしてくれる『牟岐55ラーメン』には、ただ感謝するほかない。
●SHOP INFO
店名:牟岐55ラーメン
住:徳島県海部郡牟岐町川長関33-1
TEL:090-6280-0565
営:11:00〜14:00、17:00〜20:00
休:水曜
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●著者プロフィール
田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。