「四号特例」縮小の影響が大きい工事とは?
法改正の影響を最も受けるのは、フルリノベーションや全面リフォームを検討している方です。木造二階建てや平屋を全面改修する場合、これまでの「四号特例」を利用すれば、比較的割安に工事を進めることができました。しかし特例の縮小により、今後は詳細な設計や検査が必要となるため、工事費用や工期が増える可能性があります。
例えば耐震補強を伴うリフォーム工事では構造計算が義務付けられるため、建築士への依頼費用が増えます。また建築確認申請に必要な書類が増えるため、役所とのやり取りに時間がかかり、工事開始が遅れることも想定されます。これらの変更は、特に予算やスケジュールに制約がある家庭にとって大きな負担となります。
さらに資材価格の高騰も問題です。木材や鉄鋼といった建築資材の価格が世界的に上昇傾向にあります。この影響は法改正による費用増加と相まって、リノベーションのコストに大きく反映される可能性があります。
これらの費用増大や工期延長により予算オーバーや引っ越し、入居の時期に影響が出るかもしれません。フルリノベーションを検討していた方々にとっては割安だった選択肢の喪失の可能性が生まれることになります。
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四号特例の縮小で、リフォーム・リノベーション費用はどれくらい増える?
法改正による費用増加の影響は、設計・確認コストの増加、構造補強工事の追加費用、工期延長による人件費増加などがリフォームやリノベーション費用を押し上げる要因となるでしょう。
四号特例の縮小により、これまで簡略化されていた設計図や構造計算が必要になるケースが増えます。この影響で、建築士への依頼費用が上昇します。設計費用は、通常全体工事費の5~15%程度を占めますが、改正後は10~20%に増加する可能性があります。
また築年数が古い住宅では、構造計算の結果により構造補強や省エネ対策等が必要になるケースが出てきます。この場合、100万~300万円程度の追加費用が発生する可能性があるでしょう。特に耐震基準を満たしていない昭和56年以前に建築された住宅を全面リフォームする場合は耐震性の向上が大きな課題となります。さらに、省エネ基準の義務化に対応するため、断熱材の追加や窓の性能向上などが必要となり、リフォーム内容が複雑化することも費用増加の一因となります。
さらに設計・検査の手続きが複雑化することで、全体の工期が1~2カ月程度延びる可能性も出てきます。この工期延長の影響で人件費が増加することが考えられ、特に大規模な工事では大幅なコスト上昇が懸念されます。
リフォーム工事にかかる工事費用はリフォーム内容により異なり、一般的な部分改修の工事費は数十万円から可能ですが、全面リフォームになると費用相場は数百万円以上になることが多いです。特に中心価格帯としては1200万~1500万円が目安となることが一般的です。これが法改正後は、平均的に10~30%程度上昇するのでないかと筆者は考えています。