限られた予算で家の建て替えを検討される方も多いでしょう。もし、予算が1000万円に限られている場合、建て替えは意外と厳しい選択肢です。
この記事では、家の建て替えにかかる費用の内訳と相場について解説します。さらに、1000万円の予算で快適な家を手に入れる方法として、リフォームという選択肢を紹介しています。住み慣れた家をより快適な住まいにする検討材料として、参考にしてください。
1000万円で家の建て替えは可能?
家の建て替え費用を1000万円以内に抑えることは不可能ではありませんが、かなりの制限を伴います。国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査」によると、一戸建ての建て替えのために用意した資金の平均は約4,500万円でした。したがって、1000万円という予算では、延べ面積を小さくしたり、シンプルな設計を選んだりする必要があります。
なお、建て替える際は解体費用や廃材処理費用も発生するため、1000万円全額を建築費用に充てることはできません。これらの費用の相場を理解し、どこにどれだけのコストがかかるかを把握することが大切です。予算内での建て替えが可能かどうかは、慎重な計画と工夫次第といえます。
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家の建て替えにかかる費用内訳
家の建て替えには、主に次のような費用が発生します。
工事関連 | アスベスト調査費 | 10万~20万円程度 | 2006年9月以前に建設された、 延べ床面積80㎡以上の建築物の場合 |
解体費 | 4万~7万円/坪 | ||
廃材処分費 | 5,000円~2万円/坪 | ||
設計・建築費 | 40万~50万円/坪 | ||
土地関連 | 地盤調査 | 5万~10万円程度 | |
改良費用 | 100万~200万円程度 | 必要な場合 | |
測量費用 | 30万円程度 | 必要な場合 | |
手続き関連 | 土地家屋調査士等報酬 | 約20万円 |
建物滅失登記 建物表題登記 所有権保存登記 抵当権設定登記 |
各種税金 | 取得費による |
登録免許税 不動産取得税 印紙税 消費税 |
|
仮住まい関連 | 契約料、家賃 |
賃貸住宅 マンスリーマンション など |
|
引っ越し費用 | 荷物の量や距離による | 2回分 | |
その他 |
レンタル倉庫利用料 など |
工事関連費用
解体費用は家の構造によって異なり、木造の場合は1坪あたり4~6万円、鉄骨では6~7万円が相場です。なお、建設重機が入れない立地の場合、解体費や廃材処理費が高くなる可能性があります。また、設計・建築費用の坪単価は、一般的なハウスメーカーで60~90万円程度、高価格帯のハウスメーカーでは90万円以上が相場です。
また、2006年9月以前に建てられた、延床面積80㎡以上の住宅の場合は、工事前にアスベスト調査が必要です。費用の目安は10~20万円です。アスベストが検出された場合は、工事の際に飛散防止の対策が必要になります。
自宅リフォームでアスベスト調査は本当に必要?調査対象・費用・注意点の総まとめ
土地にかかる費用
建築基準法により、住宅の建て替え時には地盤調査を行うことが義務付けられています。調査の結果、地盤改良が必要と判断された場合は、改良工事費が別途かかります。また、隣地との境界が明確でない場合、ご近所トラブルに発展する可能性があるため、建て替えを機に測量を行うのが一般的です。
手続き関連費用
抵当権設定登記は、住宅ローンやリフォームローンを利用する際に必要な手続きであり、建て替え費用の全額を現金で支払える場合は手続き不要です。なお、ローンを利用する場合は、金融機関の事務手数料や保証料などが発生します。
引っ越し関連費用
建て替え中は一時的な仮住まいが必要です。例えば、仮住まい先を賃貸にする場合、初期費用(仲介手数料、敷金、礼金など)と家賃、引っ越し代がかかります。家賃10万円の部屋であれば、契約時に50~60万円に加え、住み続ける期間中は毎月家賃の支払いが発生します。
引っ越し費用については、運ぶ荷物の量や移動する距離、希望するオプションサービスなどで料金が異なります。同じ自治体内で夫婦二人分の荷物を運ぶ場合の相場は5~10万円程度で、2回分で10~20万円ほどの予算を立てておく必要があります。
建て替えには様々な費用がかかります。現在の家や土地の状態でかかるかどうかが変わる項目が多いので、まずは工務店などに相談して大まかな費用感を教えてもらうことをおすすめします。