自分たちの家づくりを振り返って
――家づくりを振り返って、悩んだことはありましたか?
Nさん:内装を決める際に床材や壁の色を細かく決めるのですが、全体的に見て統一感が守られているのかが不安でした。ここはもう完成するまで分からない部分なので、大変緊張しました。
Tさん:私もよくお客様と相対するのですが、家づくりは初めてというお客様がほとんど。もちろん妻の言うカラーコーディネートをはじめ、細かな間取り設計など多くの場面で迷うことは至極当たり前のことです。さらに多くの人間が携わる家づくりは、使う建材や塗料、間取りなどを決めて一度建築が始まると、変更するのは至難の業。よって、失敗を過度に嫌がる方も少なくありません。
しかし私はたとえ「失敗した」と一瞬感じてしまったとしても、「自分たちが悩んだ末に行なった決断は何も間違っていない」と思えるような家づくりをしたいとずっと考えていました。もちろん不安はありましたが、妻と二人で決めたことを信じるようにしていました。
――完成した家を見て、いかがでしたか。
Nさん:感動しました!最初は紙1枚の平面図だった私たちの家が、こんな素敵なものに変わるなんてすごいと感じました。
Tさん:私も施工管理ツールをもとに進捗は見ていましたが、いざ実物を見ると感慨深いものがありました。
――特に気に入っている家の部分はどこですか?
Nさん:キッチンですね!キッチンとダイニングが一体になっているのですが、完成した家を見た瞬間にこのキッチンにしてよかった!と嬉しさがこみ上げました。
Tさん:私もキッチンです。よく妻と一緒に料理をするので、お互い気に入った空間にできて良かったなと感じています。
――お互いにお気に入りの場所が同じなのですね!反対に、「ここはこうすれば良かった」と思う場所はありますか?
Tさん:コンセントや照明スイッチの位置です。暮らしを想定して考えていたのですが、やっぱり「向かい側に設置しておけばよかった」など、実際に暮らすうえで気付いた瞬間がありました。
Nさん:あと脱衣室のフロアタイルですね。Instagramで見て気に入ったため設置したのですが、思った以上に冷たくてびっくりしました。建材のサンプルを、内装担当のコーディネーターさんに取り寄せてもらえばよかったなと思います。
――実際に住んでみて、賃貸での暮らしと何か違いはありますか?
Nさん:賃貸住まいの時は周囲の人へ音や振動が届かないよう配慮していましたが、戸建てに住むことで考える必要がなくなったことです!夫はサッカーが大好きでよく観戦しながら応援しているのですが、佳境になるとどうしても声が大きくなってしまい、賃貸住まいの時はいつもハラハラしていました(笑)
Tさん:そうですね…(笑)私も人様に迷惑を掛けず自分の趣味を思い切り楽しめることこそ、戸建ての醍醐味だと感じます。
――なるほど、ありがとうございます!最後に、家づくりを始められる方に向けてアドバイスをお願いします。
Tさん:ハウスメーカー問わず、周囲の方の家を建てた経験談を聞くことです。コンセントや照明スイッチの位置など、思った以上に細かなところまで決めないといけない家づくり。私たち10年以上家に携わってきた者でさえも後悔することがあるため、幅広く経験談や失敗談を聞いておくのが賢明です。
Nさん:私は、家具や家電など生活するうえで必要なものに対して予算を残しておくと良いかなと感じました。賃貸物件からそのまま使う予定だった家具や家電も、いざ新しい家に設置してみると何か違うというか…。家具や家電もこだわって選びたいと感じるようになったため、家具や家電にかける予算も加味した資金計画を行うほうが良いと思います。
Tさん:たしかに。家具や家電選びのところにも通ずるのですが、一括で購入するより少しずつ揃えていった方がワクワク感は続くかと個人的に思います。ただ最初にまとめて購入するほうが手間や費用も抑えられるため、向き不向きはあるでしょう。
Nさん:あとは、内装というよりも間取りをつくる段階ですね。子どもが生まれるなど将来的に家族構成が変わることを、もっと具体化しながら考えておけばよかったかなと感じます。将来のことは誰にも分からないので、難しいのですが…。
Tさん:そうだね。でもこうやって振り返ってみると、家づくりを通してたくさん二人で悩みながら決断した数か月はかけがえのない時間だったと思います。これから将来、私たち自身やそれを取り巻く環境、そして家自体も、変化を重ねていくことでしょう。しかし毎日自分の帰ってくる場所がここである限り、幸せだなと思えるような気がします。そう思えるような家づくりができて良かったです!