「出資金の払込み」は、会社設立手続きにおいて欠かせない作業のひとつです。登記申請前までに必ず行いましょう。加陽麻里布氏(司法書士法人永田町事務所 代表)が、出資金を払い込むまでの流れや、手続き失敗を防ぐためのポイントをわかりやすく解説します。
登記申請に必要な「出資金の払込み」
出資金の払込みとは、会社設立時に発起人が資本金として会社に提供する資金を振り込む手続きのことです。払込みが完了することで会社の財務的基盤が形成され、登記申請に必要な条件が整います。
払込みが必要な理由は次のとおりです。
1.法的要件の充足:資本金の払込みを証明することで、会社設立の法的要件を満たします。
2.信頼の証:資本金は会社の信用力を測る指標となり、取引先や金融機関の評価に影響を与えます。
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出資金を払い込む方法・手順
(1)発起人名義の銀行口座を使用
・出資金は、発起人自身の名義の銀行口座を利用して振り込みます。
・会社設立前の段階では法人名義の口座を開設できないため、個人口座を使用する必要があります。
〈ポイント〉
・振込先は発起人名義の口座である必要があります。
・発起人が複数いる場合、それぞれの口座から出資額を振り込むか、代表者の口座を利用してまとめて払い込む方法が一般的です。
(2)振込み後に証明書類を作成
払込みが完了したら、次の書類を作成・用意します。これらは登記申請に必要な重要書類です。
1.払込証明書
・出資金が正しく振り込まれたことを証明する書類です(図表)。発起人が作成し、任意で押印します。
2.銀行通帳のコピー
・通帳の表紙と、振込金額および振込日時が記載されたページのコピーを添付します。
〈注意〉
・口座履歴がデジタル化されている場合は、振込明細書を出力して使用します。
・振込金額は定款に記載された資本金額以上であることが必要です。